愛の世界
プライド
自我が知らず知らずのうちに肥大化して、いつしかそんなつもりがなくてもプライドというかこだわりというか、何かを握りしめて離さなくなってしまっている。薄々あなたもそれに気がついているけれども、特にある特定の場面では抑えきれないぐらいの衝動にかられて、いつも後悔しているね。どうしてそうなってしまうのかというと、いつもファイティングポーズを崩せないままにいるからで、常に負けてはならないという感情に振り回されてしまっているからだ。なら、それほどまでに勝ち負けにこだわるのかとルーツを辿っていけば、誰しもが通る幼少期の体験に集約される。すなわち、競争社会に順応するようにこれまでずっと教えられてきたからだ。それをそれほど苦にも思わず、演じきることができるのならそれほど大事にはならないけれども、どうもそれが苦手なあなたには、いつも自己愛を貫くために抜き差しならない苦しい世界になってしまっている。
媚びる
なら、負けを素直に認めて媚びるのが生き様として正解なのかというと、それほど単純な話でもない。なぜなら、それを実践すればするほどやっぱりどこかコンプレックスを感じないわけにはいかないからだね。ある程度まではごまかしごまかしやっていけるかもしれない。けれども、いずれその閾値は超えてある日突然動けなくなるほどのストレスを爆発することになるからだね。それを世間ではうつ病という病名をつけて、治療にあたるわけだけれども、その根本はきちんとしなければならないという呪縛から離れられないからだ。きちんとするという完璧主義的な思想には、常にあなたはどう見られているかという周りの評価で支配されており、どこにもあなた自身をあなたが愛するという視点が抜け落ちている。それを無理やりごまかして、へりくだったり思ってもないおべんちゃらを言い続けていると、そのキャパシティを超えてしまうのは自明の理でもある。
唯我独尊
あなたはこの世に一人だけであり、他者や世間と思っているそれらもあなたが今そこで生み出したものに過ぎない。それでも生きている証がほしいがために、あなたが愛に包まれている事実を確かめようとして生み出した幻影だ。あなたの苦しみもそういう意味では自作自演であり、より苦しみを感じることでその向こう側の愛の世界を確かめようともがいているだけのことだね。それに気がつけば、何もそれらの幻に媚びることもへつらうこともない。もちろん、あなたがそれを確かめたくてそうしているだけのことなんだからね。だからといって、すべてを捨てなさいと言っているわけではないよ。何事もほどほどにしておくのがちょうどいいバランスを保つことができるということを気にかけておいたほうがいいということだ。あなたがそこにいようがいまいが、愛の世界は連綿と続いているわけだからね。幸せは不幸がないと認識することさえできない。さらには、あなたもあなた以外の何かがないと消えてなくなってしまう。それもこれも永遠の愛に満たされた世界で起こっている一瞬の出来事に過ぎないわけだよ。