人生を謳歌する

日々

独り占め

現代社会では持てるものと持たざるもので格差が大きく広がっていると言われているね。地位や財産を持ったものが成功者であり、それができないものは失敗だと烙印を押されてしまう。それがこの世界の真実だと思いこんでしまうがために、皆が我先にとそれらを追い求める競争だけが本質だと勘違いしてしまう。もちろん、そうやって多くの人の価値観を揃えることで為政者としては楽ちんなんだけれども、仮にそのレースを制して勝者になったとしても、そこに充足なり幸せはなぜか思っていたほどでもなかったりする。そのズレはなぜ起こるのかという理由はもうすでなんとなくは気がついているだろう。それでも、それに向かわざるを得ない状況だから、あなたの世界に暗い影ばかりが目立つことになるわけだね。

所有

あなたはあなたのことですら、どうにもならないことを日々痛感しているだろう。それなのに、あなた以外の何かを常に求める毎日だ。もっと偉くなりたいとか、もっとお金持ちになりたいとか、もっと素敵な生活を送りたいとか、そうやってあなた人生は費やされていくわけだけれども、いくら費やしたところで一向に充足や幸せはつかめない。仮に財産の獲得はうまく行ったとしても、今度はそれをどうやって維持するかということばっかりの毎日になったり、もしや誰か悪い人に奪われてしまうんじゃないかとありもしない不安に苛まれたりしている。もはや誰も何も信じることすらもできずに、かといってあなた自身のコントロールすら全くできないままでいる。そうしてそれらを握りしめながらまたいずれ無に帰する運命だね。

強者

何も持たないのに、あなたが羨むほどの存在も知っている。あなたからすれば全く能天気に見えるし、ハラハラ心配するぐらい無鉄砲だったりする。計画的に何かをやることすらなく、思いつきばかりであなたからすれば失敗ばかり重ねている。それなのに、なぜかいつも楽しそうだし笑っている。あなたはそれを訝しげに見て、ほらやっぱり結局は不幸だとあなた自身で納得できる証拠を血眼になって探し続けている。もはやそうすること自体が幸せとは程遠いとは感じつつも、そうでもしないとあなたは平静を保つことすら難しいわけだ。その仕組みはとてもシンプルで、あなたはこの世で実はなにも独り占めできないからだね。もちろん、独り占めし続けているつもりだろうけれども、それはあなたがずっとそうやって叫び続ける必要があって、ちょっとでも気を抜いてしまうとすぐにあなたの手元からするりと抜け落ちてしまうね。そこでもう気づいているだろう。何も持たないことこそが真実の姿だということをね。