初めの第一歩

日々

1回目

それは、何も気にせず始めたことだった。なんとなくやってみたかったからそうしただけだったね。ところが気がつけばもう何年もやり続けている。そこでもうそんなにも繰り返してやっているのかと、はたと気がつくわけだね。いつも振り返ってみれば継続は力なりという言葉が思い浮かぶね。ところが、まだ何もしていないのにも関わらず、継続しなければならないと先に思ってしまうとなぜか心はずんと重くなってしまう。辛い努力がないととてもじゃないけれども続けることは困難だと予測してしまっているからだ。でも、継続なり努力なり工夫なりというのは、いつも何気なくやった1回目がないと成立しないわけで、そういう意味ではまずは始めるということが何よりも重要なことだ。先に継続前提だとうまくいかないのはそういう理由なわけだ。

重み

そういう仕組みがわかれば、継続なり歴史なりの重みははじめにはない。おそらく何事も最初は全くそんなつもりもないことばかりで、気軽にはじめているはずだ。ところがそれが楽しくてどんどんやっているうちに、気がつけばもうそんなにも続けているのかと、あなた自身が改めて驚くわけだね。そう、何事にも最初から深い意味があったり、高尚な目的があったりしなければならないことはなく、時を経て後付でいろんな意味を帯びていく。だから何事も気軽に始めるといいね。まだ始めてもいないことをあれこれと損か得かで天秤にかけたり、それをするには準備が必要だとあれこれと探し回ったり、高級な道具を揃えたりする必要はない。例えば美しい風景をうまく写真に残したいと思えば、高級な一眼レフカメラが欲しくなったりするだろうけれども、その値段にびっくりしてやめてしまう。そんなぐらいなら、今持っているスマホのカメラでとりあえず気軽に撮影していけばいい。それを続けているうちにたまたま道具と出会ったなら、それを手にする機会もあるだろうからね。

ノリ

今できることを軽やかにやってみることが大切だ。ふとやってみたいな、と思った日が吉日なんだ。別にそれが本当にやりたいことかどうかなんて気にすることもない。やってみて楽しかったら自然とその波に乗っているだろうし、なんかちょっと思っていたのと違ったらそれをやめてしまうか、もしくは違う形にどんどん変わっていくだろう。シンプルに単にそうしてきたからこそ今がある。そうして振り返ることで、ずっと好きでもう何十年も繰り返していることもあれば、なんだかんだで何も結局は続いていないこともあるだろう。継続だけが良いとか努力が素敵だと言うのは、その上であなたがそれらをどう見ているかに過ぎないね。何も残っていなくてもいいし、ずっとライフワークになっているものがあってもいい。それでも今ふと思ったことを、気軽なノリでやってみることがこれからのあなたを形作っていくわけだから。あなたはそうやってずっと1回目を繰り返して楽しんでいるんだからね。