大盛り一つ
お腹いっぱい
食べきれないほどのご馳走に囲まれて、豊かさを感じて幸せになる。けれども一方で、そんなにもそもそも食べられないし、余ったらもったいないと思っている。だからパーティーでも仲間内の飲み会でも少しだけ足りないぐらいに調整したりするね。もちろん、国が違えば文化が違うので、有り余るほどのご馳走を並べることがおもてなしだというところもある。でもあなたにとっては、食べきれないご馳走は、そのあとの行方が決まっているほうが安心だろう。まさかそれらを全部生ゴミとして捨ててしまうのは忍びない気持ちになる。それは、せっかくのご馳走だからという特別な思いがそこにあるからだ。飽食の時代と言われて久しい。けれど知らず知らずのうちに、嫌いなもの、あなたにとって苦手なものは残してしまうことが多くなった。それでもやっぱりあなたが自らの手でそれらをゴミ箱に入れるのには、少しばかりの躊躇がまだ残っているわけだ。
適量
どれだけ豊かであっても、どれだけ幸せであっても、それをすべて受け止めるわけにはいかないね。それでも世界の大富豪は別荘を数十件と持っていたりする。だからあなたもそれぐらいの富を得てみたいと憧れるかもしれない。実際にはそうなったらそうなったとして、想像もつかない大変さがそこにあるだろう。でも、そうなってみないと見えない世界だからと、あなたもその世界を垣間見たいと思っている。それを目指したり夢見たりすることは全く持って自由だね。でも、なぜかそれらは基本的にすべてが足し算で成立していることに気がつくだろう。100万円持っていれば次は1000万円だろうし、1000万あれば次は1億円かもしれない。いやいやそんなものじゃないともっともっとと際限がない。おそらくはこの世に流通している貨幣の総額を手にしたとしても、次はそれ以外の富に目が行くだろう。そう、欲望は際限がないのは、実は現実の世界ではなく幻だからでもあるからだ。
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美味しい牛肉は大きな牛一頭の命から生まれる。命を粗末にしないために、各部位がそれぞれの命の食材となって流通しているね。もはや余すところなくほとんどが食べられている。そうやって分け与えて食べることで、多くの生命が維持できるわけだ。あなたはどれだけ富と財産を集めたところで、命を維持するご馳走はそれほど多くない。ならばそれらを独占しても意味がないね。だからもったいないと思うわけだ。一つの命が多くの命を支えているこの世では、それ以上を握りしめたところで食べきれない。それでもあなたが独占しようとすれば足りなくなる。逆に分け与えて食べるならば、多くの人が満たされる。そんな本能が先の躊躇の正体だね。もっと言えば食べ過ぎることであなたはあなたの寿命を削ってしまうことにもなる。いずれにせよ、幸せになるにはそれほどの富も財産も必要ないわけだね。