一歩先へ

日々

一度きり

人生は一度きりだから思い切って好きなように生きよう、なんてよく言われている。けれども、すべてが一度きりなんだよね。実はそのことにあまり気がついていないことが多い。今日という日は昨日とよく似たパッとしない日だけれども、だからといって昨日とは違う。今抱えている悩みが大きすぎて、明日が幸運にもやってきたとしてもあなたは未来で浮かない顔をして過ごしているのが、もうすでに見えていたりする。でもそんな何気ない毎日がそれこそ連続して続くこと自体が奇跡だ。少しだけ振り返ってみれば、これまでも大きな困難があなたを襲ってきたはずだ。ところが今あなたはそれらを乗り越えて新たな難局に立ち向かっている。いや、そんなに格好のいいものではなくて、すべてがそのままで何も解決などできなかったかもしれない。それでも今をこうして生きているわけだ。

目的地と夢

一度は叶えたいと思った夢は、一度叶えるといいね。もちろんそれができなくてこれまでも、おそらくはこれからもジタバタもがいているかもしれない。でもそれでいいね。目的地まであとどれくらいあるかわからないけれども、あなたが一歩踏み出す方向はそれで決まるわけだ。もちろん直接的な最短ルートであることは稀だろう。それまでに立ち寄る経由地がたくさんあってうんざりしているかもしれない。でもそれらを一つ一つクリアするための道筋が見えている。もちろん時々道に迷うこともあるだろうし、今どこにいるのか現在地を見失ってしまうこともある。立ち寄った先で道草を食って随分時間がたってしまうことだってあるし、思えば随分遠回りしたと反省することもあるだろう。それでもあなたは一歩踏み出す先がそこにある。もしかしたら、もうそれだけで十分なのかもしれないね。

命ある限り

そうして、やがていつかは時間切れになってしまうことも薄々感じている。それであなたは少し焦ったりすることもあるだろう。ショートカットできるルートを探すこともあるだろう。それはそれでいい。でもどうしても気になった場所で、やってみたいことがあるのならばじっくりやればいい。そう、すべては一度きりなんだから。クソつまらない日々も、楽しかった日々も、涙に暮れた日々も、それらがすべてあなたそのものだね。そうして今また新しいドラマが生まれているわけだ。けれどもあなたはそれが二度とやってこないことに気がつかない。気がつくのはいつもあとになってからだ。そう、あなたの思い出を作る旅がずっと続いている。そう思えばそれほど心配したり不安になったりしなくても、実はいつも大丈夫だとわかるだろう。不思議なことにそれがわかると笑顔になるはずだ。