何もしない幸せ

日々

何もしない

何もしないで毎日を過ごすと急に不安にかられてしまうことがあるね。周りはどんどん変化し続けているのに、あなただけが何も変わってないように思えて、このまま人生を終えていくのではないかという得も知れない不安が急にあなたを襲うわけだ。それだから、なにかしなければならないと焦るわけだけれども、そのなにかが全くもって見つからない。だから余計に不安を加速させてしまう。だからとにかく思いついたことを手当たり次第やってみようとするわけだけれども、実際どれもこれもいまいちパッとしないから、何も続かないで終わってしまう。そこであなたはさらに不安に苛まれてしまうわけだ。でもね、何もしないでもいいんだよ、と言われたとしても不安なあなたはせっかくの一度きりの人生をそんな風には終えることはできないと聞く耳を持たない状態だね。

本当の幸せ

それでもあなたは頑張り続けている。けれどもその目的はなにかと問われると、頑張ることで人生を充実させてあとはのんびり安心して過ごすためだと答える。その矛盾をあなたは見失ってしまっているね。なら、何もしないで安心して毎日をつつがなく過ごしているのに、どうして不安になるのだろう。あなたがそれこそ命を削って頑張ってきたのは、いずれ訪れる平穏な日々のためだ。だからこそすべてを犠牲にしてもそれを手に入れようとしていたわけだ。ところが、急にやることがなくなって暇になった瞬間に、このままじゃいけないという不安を感じてしまう。逆に言えばあなたが本来求めていた将来の夢は、いつまでも忙しく過ごすことだと言って良いね。いやいや、それはいっときのことであって、頑張れるのもこれさえクリアすればあとは楽になるという目標があるからこそできると思っている。それは本当の幸せなんだろうか。

余暇

そうやってあなたは本来の幸せをきちんと見つめないままに今に至るわけだ。なんとなく将来は幸せになるだろうと思っているし、その幸せの中身は今より楽ちんで安心して過ごせることだと思いこんでいる。ところが、ちょっとした間隙でそれを体験する機会があるわけだけれども、それじゃないとあなたは感じてしまう。なら、あなたの将来はのんびり安心して過ごすそれは、一体どこに存在しているのだろうね。そう、あなたは幸せそのものをきちんと理解しているわけではないんだ。今すぐにでも幸せになれるし、そのチャンスはいくらでもあるというのに、あなたはそれは違うと思っている。毎日をとても忙しく、それこそやりたいことも我慢して将来のためだと言うけれども、実はあなたの本来の目的は余暇ではなく、そうやってぼやきながらも忙しく過ごすことなんだよ。そうであるならば、やっぱり不平不満を言える幸せが今ここにあるわけだね。