すべてを赦す

日々

勇者

真の勇者は先んじて攻撃する者ではない。先んじて赦せる者だね。兄弟喧嘩でも夫婦喧嘩でも、先にやったのはどっちだなんていう議論が起こるけれども、そんなものどんどん遡って行けばよくわからなくなる。すべての後悔も同じだけれども、あのときこんなことがあったとか、さらに前にはこんなことも言われたとか、思い出すだけで気分が悪くなる。それは争い事だけでもなく、今のあなたが不運なのも同じように、あのときの判断ミスが今もずっと響いていると信じている。それはもう過ぎ去った時間であり、どうでもいい過去だというのにね。そんな過去に縛られてしまうと、今とこれからの未来を台無しにしてしまうからできればやめたほうがいい。過去は過去、今は今なんだし、そもそも過去はあなたの中の記憶でしかないわけだから、あなたがそれをどうにかすることも自由自在だ。それならば昨日のことをすっぱりと忘れられてすべてを赦すことができることが、どう考えても真の勇者だ。

あなたという集大成

もちろん過去に意味がないと言っているわけではない。それらがすべてあったからこその今がある。それを呪うのも喜ぶのも今のあなたが決めたらいいことだね。でも、結局過去に囚われすぎて今が楽しくないのならば、そんな過去は今のあなたにとっては明らかに不要なものだね。今が過去に支配されてしまうなんて、よくよく考えてみれば馬鹿げているし、そればかりに気を取られてしまったらあなたは永遠に今を生きることが難しくなる。さらには過去に連続を繰り返す羽目になるわけだから、未来もその時点で確定されてしまうわけだ。それならば、潔く過去を水に流してきれいさっぱり忘れてしまうほうが、何が起こるかわからないワクワクした人生を取り戻すことができるに違いない。そもそもあなたの記憶だけにある過去は、一度答え合わせする機会があればやってみるといいけれども実はかなり曖昧になっているということが多い。

手放し

だから、先人は過去に縛られず、まだ見ぬ未来に惑わされず、今を生きなさいと伝えている。今がもちろんどんどん過去に変わっていくわけだけれども、ある意味今の残像のようなものなのでしばらく経てばきれいに消えていく運命だ。あなたはわざわざその過去の残像を今に持ち出して、一所懸命文句を言っているクレーマーみたいなものだ。すべての社会的な問題は過去を持ち出すことで成立していることがほとんどだね。過去のあなたは今のあなたではないし、それはすべてに当てはまる。今しかないこの世に過去を持ち出すことで、争いごとが絶えない世界にしているのは一体誰なんだろうね。拠り所がないと不安になるのは、あなたが今を生きず過去に縛られているという証拠でもあるわけなんだよ。