進化しないあなた

日々

知らないこと

知らないことがあると、ちょっと調べてみたりする。一方でなんでも知っている友人は、すらすらとその情報を言うことができる。そういった場面であなたは、何でも知っている友人を羨ましく思うだろう。さらには、その友人の物知りさに誇りすら覚えるだろう。今やインターネットやそれを発端とするAIが知らないことを補完している時代だけれども、それに頼ることなく、情報の宝庫であることになんの意味があるのか、なんて揶揄されることも多くなった。けれどもおそらくはほとんどの人が体験しているかもしれないが、電気も電波もない状況ではインターネットに頼ることができず、ちょっと不安になったことがあるだろう。ナビゲーションに頼り切りになっているあなたが、電波も電気も乏しい未開の地を開拓し続けることは、やっぱり現在地すらわからない冒険だとも言えるね。

依存

当たり前の話だけれども、普段活用している情報網には電気や電波などのエネルギーが膨大に必要だ。バッテリーが切れたスマホはただの板になり下がってしまう。あるいは、ギガがなくなったスマホからはイライラする体験しか得られない。ほとんど毎日、スマホに情報が集約されつつあって、大事なメモや明日の会議や行き先の住所などはすべてスマホの中にある。そんな極端にネットワーク上に重要な情報があるという経験は、多くの人にとっては初体験だね。さらにメモ帳に書き留めたり、卓上カレンダーに重要な予定を書き込んだり、ラインマーカーで色を付けたりすることも少なくなり、すべてがデジタルデータとして飛び交っている世の中だ。気がつけばあなたの汗水働いて得た給与だって、銀行口座の単なる数字データの書き換えに過ぎないわけだ。

手間暇

そうしてとっても面倒だったことがどんどん便利になって、あなたには残された時間を潤沢に使うことができる豊かさが備わったわけだ。しかし、その一方でデジタルデータを引き出すためのエネルギーが莫大になってしまった。便利さと豊かさを手にした代わりに、常に電波とバッテリーの残りを気にする人生に変わってしまったわけだ。電気をなんのエネルギーをつかって生み出すのかは、未だに決着がつかない大問題に発展している。世界各国での紛争や戦争が絶えないのも、全くもってエネルギー獲得合戦であると言っていい。だからほぼほぼ同じことだね。かつて声という音声が主体だった頃から、文字という記号が発明された。それがあるからこそ、書物や記録が次世代へと残すことができ、伝記や伝聞による文化が創造されてきた。デジタルオンリーになることで、面倒なアナログな社会がさらに浮き彫りになってきたのが、一番最新の社会情勢なんだよ。