面倒という幸福

日々

挑戦

なんとなく今のままの暮らしでは満足がいかず、人生の幅を広げようと今までやってこなかったことにチャレンジしてみようと思い立つ。けれども、よく考えてみればそうやって今の暮らしが出来上がってきたわけで、更に追加で新しいことを増やしたところでいずれまた同じことになる。もちろん、だからといって挑戦は無駄だと言っているわけではないから注意してね。あなたが心からワクワクすることが見つかったならば、条件が許す限りできるだけやってみることによって、ワクワクした楽しい時間が増えるわけだから、むしろ迷っている暇なんてないぐらいだ。ただ、人生の幅が広がるという淡い期待は、できれば横に置いておくといい。人生の幅はチャレンジの数ではなく、たぶんうまく行かなったことによるものが大きい。ようするに失敗した経験が今のあなたを少しずつ修正する働きをしてきたんだろうからね。

失敗だらけ

もちろんホームランを打ちたければ、できるだけ多くの打席に立つしかないように、挑戦の数だけチャンスも生まれる。けれどもうまく行った喜びは一瞬にして過ぎ去って、新しい次の課題がすぐに見つかることが多い。そんな風だからなんだかきりが無いように思えて、少し絶望を感じているかもしれない。でもそれは逆で、失敗の連続でうまく行かないことの方にこそ物事の真髄がそこにあるね。試行錯誤して足りない部分を探し、そのための練習メニューを考え、体幹の動きを研究したり、上半身と下半身のバランスなんかを計算したりする。実はその時点で完結しているんだ。それが結実してホームランバッターになれること自体は実はゴールではなくプロセスに過ぎない。そういう視点で失敗を見つめると、変な話あなたはわざわざ失敗を楽しむために今ここにいると言っても過言ではないぐらいだ。

面倒事

何もしなければ、おそらくはつつがなく毎日の暮らしは安定するかもしれない。でも実はわざわざあなた自身が人生の幅を広げようと、あえて失敗することを選んでいる。だからこそ、その間は夢中になれるわけだし、毎日があっという間に過ぎ、そのことで充足している。それもあなただけのためのことでは十分な満足は得られず、誰かを助けるためにとか、何かあなた以外のことのためにあなたの失敗を重ねることでぱっと目の前が広がるわけだ。そこにはあなたの狭い世界に閉じ込められていたあなた自身を救い出すという意味が含まれている。奇妙な話に感じるかもしれないけれども、あなたがあなただけの世界を生きることよりも、あなたが他の誰かや何かのためにあなたをフル動員することの方に、実は本当の幸せが生まれるってわけだね。