無駄な人生
インスタント
現代社会では時の流れがますます加速して、あっという間にこれまでのことが陳腐化する社会のように言われている。そのせいかどうかはわからないけれども、あなたは常に不安を感じていて、今やっていることがいずれ無駄になるのではないかと恐れおののいているわけだ。素早い結果ばかりを評価される時代だからこそ、それに惑わされずにあなたが感じたことに安心して専念すればいいだけのことなのに、その苦労や努力の結果として見合うかどうかばかりがずっと頭から離れられないままにいる。誰にもわからない未来予測を必死に考えたところで、それは大抵の場合答えが出るわけではない。なのに正解主義に毒されてしまったあなたにとっては、そのことが一番の重要な関心事となってしまって、やっぱりしっくりこないままの日々を強いられてしまっているわけだ。
お得感
それは、人生をよりお得で効率的な幸せを求めているに過ぎない。だけれども、一見合理的なその思考も、そもそも人生には損か得かなんていう概念が入る余地がないとすればどうだろう。単にスーパーで買い物をするかのごとく、人生もそれになぞらえてしまっているだけの、大いなる勘違いかもしれないね。最小の努力で最大の幸福を得ることが良いことだとか、長い間かけてじっくりと歩む人生よりも、短期間で成果を生み出し素早く成功する人生の方が良いとか、ベースになっているモノサシなんてそんなものでしかないだろう。もっと欲張ればつらく苦しいことなんて一切なく、ずっと幸せに満ちた人生の攻略法ばかりに目が行くあまりに、そのプロセスで得られる至上の喜びを軽視する傾向にあるわけだ。それがいかに短絡的かは指摘するまでもないね。ずっと幸せだからこそ、あなたは今幸せを1ミリも感じることができなくてもがいているのだから。
コンビニ人生
だから、いつでもどこもで簡単に幸せな人生を手に入れられればいいのに、なんて思ってしまっていることに気がついていない。ぱっとできないとすぐに諦めてしまう癖や、やりたいことを思いついたとしてもどうせ無理だからやめておこうと先回りして判断してしまう習慣が当たり前になってしまっている。またそれを補強するかのごとく、あなたの周りに人たちにも同じようにドリームブレーカーがたくさんいるわけだ。そんなことして何になるのか、どうせ失敗するからやめておいた方がいい、なんて声をかけられることであなたはそれをできないことの言い訳として即決で採用しているわけだ。そうこうしているうちに、残り時間が少なくなってからジタバタ焦りだすことになる。人生に無駄なことなんて何一つないにもかかわらず、無駄が悪だとして生産性ばかり強調される時代そのものがおかしなことなんだといつまでも気がつかないからそうなってしまうね。そこで価値観を逆転させてしまえば、あなたの人生は本当に豊かな時間と経験をずっと与えらてきたことを感じることができる。社会では他人のためがすべてみたいに言うけれども、それ自体がすでに仕組まれた罠であることも簡単に看破することができるはずだ。