あなたのパワー

日々

悪あがき

どうにかこうにか事態を収拾しようとあの手この手を打つけれども、それが余計なことになってますます悪化してしまうことがある。それでもなんとかしなければならないと思って、手をこまねいてみているわけにはいかないと躍起になってしまう。大抵の場合そうやってあれこれと手出し続けているときは解決しないことが多いね。もう打つ手がないので、あとは運を天に任せようと開き直った瞬間に、それまでの苦労が嘘のように問題が問題でなくなることがある。あなたにとってはなんとも不思議な現象であり、すぐには受け入れられない。今度はどうしてそうなったのかと思案し始めるけれども、これと言って何かが見つかるわけではなく、もはや運が良かったんだろうという結論しか出てこないね。あなたはそれを学習して次に備えようと必死に考えているのだけれども、まるでそれをあざ笑うかのように見事に期待を裏切られるわけだ。

無意味

そうだからあなたは、やっぱり解決したのは、それまでいろんな秘策が少しずつ効いて、それらの相乗効果が発揮されたんだと思い込むようになる。あなたがやってきたそれらの苦労が実は全く無駄だったと思いたくないというバイアスがかかってしまうからね。実はあなたの打つ手打つ手が、かすりさえしなかったなんてにわかには受け入れがたい。会心の一撃ではなかったにせよ、ほんの少しぐらいの効果がそこにあったと思いたい気持ちはよく分かる。でも一方でそれがなんであるかもわからない状態で、自らそれも怪しいと感じているはずだ。そして薄々はあなたがジタバタしようが、あれこれ考えようが、そんなことは一ミリも現実社会を動かすパワーを持っていないことを知っているし、それを直視するだけの覚悟が持てないままでずっとこれまでも過ごしてきたね。

持ちうる力

そう、あなたがなんとかしようとするとき、あなたにはパワーがあるという錯覚がそこにある。そしてその力でもってあらゆる人生の難題をクリアできる可能性を秘めていると思いたいわけだ。ところが、すべては他力であり、あなたはこれまで何かをなし得たことなんて何もないことを受け止められないままだ。そうではなく、あなたは生かされているだけの存在だし、物事が色々起きることすらもコントロールできない。ましてやそれらをあなた好みに変えてしまうマジシャンでもない。なるようになることをずっと傍から見ているだけの存在でしかない。だからといって嘆き悲しむこともなく、そうであるならば、あなたが見たいものだけを見たいように見ればいいだけだね。何が問題で、何が問題ではないかなんて、実はどこにもその絶対基準なんてない。それを書き換えることだけがあなたにできる唯一のことだからね。しかしそれは世の中を変えるぐらいの凄まじいパワーを秘めているんだよ。