あなたの物語

日々

創作

これまでいろんなことを乗り越えてきた。そして良いも悪いも今があるわけだ。でも、そう思っているそれらの思い出はあなたしかわからないね。もちろん友人とともに楽しかった思い出話に花が咲く夜もあるだろう。けれどもそのディテールはちょっと違っていることが多い。しかもある程度歳を重ねていけばいくほど、あなたが覚えていないようなエピソードまで飛び出すわけだ。そういえばそんなこともあったかな、なんて思いつつ聞き流している。大枠としてそれぞれが懐かしみ、楽しい思い出と変化しているからできるわけだ。それも夜も更けて次第と雲行きが怪しくなってきて、楽しいだけの思い出ばかりでもなかったことも思い出してしまう。楽しい時間はいつもそれほど長くはないわけだね。

アーティスト

そこには何でもないものばかりが散りばめられている。あなたはそれらを手にとって一つの物語として創作している。もちろん、その材料はおそらく普遍的なものだろう。ところがその組み合わせによって多彩な意味を帯びてくる。それらをつなぎ合わせて一つの作品としてまとめ上げるのがアーティストと呼ばれる人たちだ。なるほど、何気なく見逃していたそれらも組み合わせの妙で、思わぬ表現がそこに感じ取れるようになる。それと同じことを実はあなたも日常的に行っているわけだ。けれどもそういう無自覚の組み合わせの癖みたいなものがあって、ある人には何でもないことであってもあなたにとっては特別な意味を持つ存在に仕立て上げてしまうね。同じ材料から全く違うストーリーがその瞬間に生み出され続けているわけだ。

あなたの世界

それがまさに、唯一無二のあなたの世界だ。そしてそれは、あなたの親友からはおおよそ共感されることが多いだろう。ただし完全一致することはないね。そもそもの材料は一緒でも、同じ料理にはならないようなものだ。微妙に味付けや風味が異なる。どれが良いとか悪いとかの大きな差異ではなくても、もはや好みが違うからそうなるのは避けられないわけだ。もちろん、それもありだなというぐらいの許容できるレベルではあっても、究極の選択ではあなたはそれではないと断言できる。それがいつも起こっているわけだから、やっぱりあなたはあなたの世界しか知り得ないし、仮に理解しようとしても限界があるわけだ。それを周りのせいにしたり、不運のせいにしたり、不足しているせいにしたりして一喜一憂している。それもこれもあなたがそうしたいからそうしているだけなのにね。