勘違いのススメ
まだそこにない
いつも当然のようにあるものを改めて数えてみても、あまりに多すぎて数えきれない。でも、まだないものはいつもすぐに言えたりする。そうやって、あなたはいつもまだそこにないものばかりを考え続けている。だからいつも不満だし、早くあなたの希望が叶えられることをいつも願ってやまないわけだ。それは一体どういうことかというと、考えてみれば不思議なことで、すでにあるものはかつてあなたが望んでやまないものだった。ところがあなたの思いが通じて実現してしまったものは、あなたには見えないものへと変化してしまう。そして自然とあなたの視線はまだ見ぬなにかを欲しがってしまうわけだ。ないものねだりとはまさにそういうことであって、あるものに対する総括はいつも疎かになってしまうね。
もともと
あるものを意識する瞬間は、それを失ったときだね。いままでは当たり前のようにそれがあって実はなんとも思っていなかったはずだ。けれども、それが突如としてなくなってしまうときにだけ、あったことの恩恵を感じることができる。そこでまたなくなった状態になったものを、先のないものねだりの仕組みで嘆き悲しむわけだ。すなわち、今あなたがすでに持っているものは、なんともないときにそれを探すのは難しく、なくなったときだけ強く感じることができる。それをくよくよと考えても仕方がないとわかっていても、やっぱり取り戻したいともがき始めてしまうわけだね。もっと言えば、それすらもなかったときがあったことを振り返ると、何かを失ったというよりもそもそもなかったときがあるわけだから、マイナスではなくて元通りになっただけなんだけれどもね。
手に入れる
それらの考察から、あなたはないものを敏感に感じ取ることができる能力には長けている。けれども、あるものに関してはまったくもって無頓着だ。ないものばかりを夢とか希望だと勘違いして、もうすでにあるものへの感謝は薄い。もっといえばあるものでなんとかならないかと思うよりも、あれさえ手に入れば幸せになれるのにといつも何かを手にすることだけにしか注目していない。そんな癖を見抜けば、ないと思っているあなたの夢や希望をすぐに叶えることができる。ないと思っているものが、すでにあると勘違いすればいいだけのことだね。それが本物に変わるとき、あなたはそれを認識しなくなる。すなわち意識から消してしまう癖を持っているのだからね。あなたはそれを再び失うまではずっとあることにすら気がつかないわけだ。実際のところ、それが願望成就のからくりなんだよ。