思い出作り

日々

限られた枠組み

例えば一番になれば有頂天になるね。なんでもトップになるというのは、大変なことだし名誉なことだと思っているからだ。ところが、全てにおいて一番なんていうのはちょっと想像できない。ある限られた枠組みの中でのコンペティションにおいてあなたはその一位を獲得するために頑張ることができても、その枠組さえ取っ払った状態での一位は一体何であるかを知ることは不可能だ。学生であれば校内で一番だとか、大会であればその範囲で一番を目指して頑張れるわけだ。逆にその枠組がないのに一番を目指そうとしても、何を持って一番なのかを定義することすら難しいだろう。歌がうまいとか、足が速いとか、背が高いだとか、ごくごく限定された中でしか比較はできない。そう、一番とかトップとかは、いつもある限られた狭い世界の中でしかありえない。しかも、それは永遠ではなく、あっという間に入れ替わるからこその一番なんだ。

結果の本質

成功とか失敗とかも同じ枠組みでないと成立しないね。会社で成功したとしても、その会社内でのことでしかないし、世界で一番といってもある分野での限定されたものでしかない。名だたるトップ企業で一番だといっても、今はそうだという限定条件が着くわけで、うかうかしているとあっという間に書き換えられる競争社会だね。だから一番でいることに、息をつく暇もなく緊張状態が続くわけだけれども、そもそも人生に限りがあるのだから永遠にそれを保つのはできるわけがない。だからその一瞬の輝きに全力を尽くすわけだけれども、それはそういうものとして一瞬の輝きだけで十分だね。それ以上を求めてはいけないし、そこを誰かに譲ったとしてもそれが落ちぶれたわけでもない。それは順番であるし、季節が変わるようにすべては循環しているわけだからね。

すべては思い出

かつての熱中はあなたの人生のすべてであり、結果はいわばたまたまのことであってそれほど重要ではない。その過程においてどれだけ夢中になって、満喫したかどうかが全てだ。結果は確かに記録としては残るけれども、記憶としてはそれほど残らない。歴代の優勝者を覚えているのは、その限定された世界にこだわりを持つ人だけであって、多くの人にはそういうこともあったかなぐらいのものだ。さらにかつてそれで一番だと言ったところで、それは過去でしかないわけだ。そんな結果よりも、そこに向けて試行錯誤したあなたの経験や過程のすべてが今のあなたを作っている。だから今のあなたがすべてであり、それ以上でもそれ以下でもない。そしてあなたがそれを誇りに思って懐かしく思い出せるのもあなただけの特権だね。それで十分だし、それ以上は何もないから素晴らしい人生なわけだよ。思い出はあなただけのものなんだからね。