いずれ消えゆくこの身ならば
顔色
いつも他人の顔色ばかりを気にして、その反応に一喜一憂している。そんな自分に嫌気がさして、もうちっぽけながらもあなたらしさを貫き通そうと思ったりする。けれどもどうしても他人の顔色が変化する瞬間を肌で感じ取れるがゆえに、やっぱり見ないふりができないままでいるね。それは成績だったり結果だったり成果だったりを出し切れていなかったり、仲間の期待に十分に応えられなかったりという、どこか後ろめたさと不甲斐なさを感じているからだ。上司になんて気に入られようとも思わないなんてうそぶいてみたりするけれども、それをわざわざ声を大にして言うところを見ると、やっぱり一番に気にしていることが伺いしれてしまう。本当に気にもとめないことならば、そもそもそんな発想すらないはずだからね。
本能
それは本能的なもので、生き残る知恵でもあるから根が深い。少なくとも単独で生きられるほどの強靭な肉体を持たず、知恵と道具だけでなんとか生き残ってきた人類の性でもあるからなんだ。少なくとも仲間と協同して大自然の猛威と戦わなければ生きていくのも困難なぐらいに弱い存在だからね。一匹狼のようにすべての逆境を一人でいなしていくなんていうことはできず、群れることで脅威と戦って生き残ってきたという歴史からくるものだ。逆に言えば、現代社会の様々な仕組みにそれが狡猾に組み込まれていて、群れる人類をうまく操っているとも言える。ネットではほとんどどうでもいい他人のミスをあげつらい、美談のように見せかけて騙すようなことが日常である。経済活動が最優先になることでそれ以外の幸せを感じられなくしたり見えなくしたりしているのも、その性質をうまく操っているとも言えるだろう。
ここからスタート
遅すぎるとか早すぎるとかそんなことはどうでもいいわけで、それらはすべてまやかしの言葉だ。気づいたときがスタートラインであるし、仮にそれでうまくいかなくて失敗したとしても、またそこがスタートラインとなる。だからいつでもあなたは新しいあなたになることができるはずだ。今更とかまだその時期じゃないとか、屁理屈や言い訳で先延ばしにするのも構わないけれども、そのせいで結局のところうまく行かないと嘆き悲しむのは自作自演の茶番のようになってしまう。もうそこに気づいているのならば、その問いから逃げなくてもいいね。それでも今更失敗したらカッコ悪いとか、評価が下がると損するとか、そういうことばかりで人生が埋まっていくのはもう終わりにした方がいい。さらに言えば、今更と本当に思えるのならば、成功や失敗なんかは気にならないはずだ。だって今更どう思われてもどうってことないはずなんだからね。