誰も眠っていない
眠り
目を覚ませと言われる事が多いね。ほとんどの人は無意識的に眠っている状態で、それは物理的に朝目覚めて活動している状態を指すわけではなく、そうであっても無意識に生きていることを意味している。そんなこと言われても、あなたは確かに今朝起きたわけだし、そうしていつもように日中を活動していると思いこんでいる。やがて夜になれば眠くなって眠りにつく毎日を送っているわけだけれども、それのどこが眠りこけているというのだと反論するわけだ。意識は一体どうなっているかということがポイントなんだけれども、意識は眠りについたあなたであっても、目覚めたあなたであってもずっとそこにあるわけだ。眠っているときも稀に夢を見たりするし、眠っているときでもあなたはずっとあなたであるわけだね。ということはすべて意識の中にあなたはずっといるとも言えるね。
観測者
だからといってあなたは「意識的に」何時何分に起きることはできない。もちろん、目覚ましやタイマーをかけていつも毎朝仕事に間に合うように起きてはいる。けれども、それがなければいつ起きるかもわからない。休みの日なんかは早めに目覚めてしまって、折角の休みなのにと思うこともあれば、ずっと眠り続けてしまうこともある。結局のところ、それをきちんとコントロールしている何者かはいないわけだね。ということは、あなたが目覚めるのも意識の延長線上にあって、それをコントロールしたり観測している誰かはいないということでもある。寝ていても起きていても意識はずっと意識であり、あなたが勝手に起きた瞬間から観測が始まると思いこんでいるだけに過ぎないわけだ。本来起きているときも寝ているときも意識はずっとそこにあり、それは生まれてこの方ずっとそうであるとも言えるし、まだ生まれてなかったとしてもずっとそうであるとも言える。その境界線があるようで、実は勝手にあなたがそう思っているだけのことだからね。
意識
無意識は眠っていてもずっとそこにあり、起きた瞬間に意識があなたが観測者のように振る舞っているだけのことだね。いずれにせよ、意識潮流はあなたがどうであってもそこに流れ続けているものなんだろう。ただ目覚めると意識があなたという幻想を生み出しているだけに過ぎない。だから眠り続けているとも言えるし、目覚めたと勘違いしているだけかもしれない。そしてあなたがそれを観測していると思っているけれども、それもどうやら怪しいということでもある。とにかく意識が何かをあなたに伝えているというのは逆で、意識がそこにずっとあり、あなたがその意識の中で目覚めたとか眠ったとかを勘違いしているに過ぎない。だとしたら、意識的にあなたが望むなにかをそこに見つめていればいいだけのことだね。そんなに深刻になって辛い思いをするのも、すべては意識下の幻想であるならば、それを楽しいなにかに勘違いしてしまうのもありなんじゃないかな。