あなたの関心
昨日より今日
いつも願っているのは、昨日よりも今日という日がより良くなって欲しいということだね。でも考えてみれば不思議なことで、昨日と同じように今日も幸せな一日であればいいだけなのに、そこにプラスアルファの何かが得られるのならば、さらに幸せだと考えていることだ。もうすでに十分幸せなのに、できることならばもっと幸せになれるはずだと頑なに信じて疑わない。夜露を防ぐことができる小さな家がすでにあって、寒さから守ってくれている衣服を持っているし、地面から守ってくれる靴もある。もちろんそれらはもっと良い性能のものがあるけれども、だからといって何もないわけではない。小さいながらもずっと冷やしてくれている冷蔵庫もあるし、いつでも温めてくれる電子レンジもある。もはやあなたはそれ以上の何かを必要としてはいない。けれどももっともっと良いものを探し求めているわけだ。
どんどん不幸になる
そうやって、この世に生まれた瞬間からもっともっとと望んでいる。それらが叶わぬ夢だとすれば事態は悪化の一途を辿るばかりになるね。右肩上がりに成長したいという願いは、いつも叶わぬ夢だとすればどんどん不幸になっているとも言えるわけだからね。でも実際はそれほどでもないだろう。もっと言えば生きるのに困らないことばかりの余剰の部分の願いばかりに集中して生きている。足元を見てしっかりと生きていくというのは、そこに気がつくかどうかを示唆しているね。もっと運が良くなる方法はなにかとか、もっと幸せになるためには何が足りていないのかとか、そんなことばかりで埋め尽くされた毎日を繰り返してきてしまった。そのせいで、実は今が一番幸せであるという事実すら霞んでしまって、一人もやもやしながら過ごしている。果たしてそれはどうしてなんだろうね。
理想の暮らし
どんどんあなたが欲しいものが手に入って、昨日より今日と言う日が最高だとすればあなたの世界は一変するだろう。そして実はあなたが気にもとめないことがまさにその集大成でもある。でもあなたはそれらを完全に無視して、もっと違う素敵なものだけをずっと見つめている。それができるのも、あなたを黙って支え続けてくれているものたちに溢れているおかげだ。要するにそれに関心が向かうかどうかだけの違いでもあるね。だからすでにあなたは十分に幸せだと言われるわけだ。けれども、そんなことには目もくれず、もっといい暮らしを、もっとたくさんの財産を求めて明日を夢見ている。だからずっとあなたは一度も目覚めず、いわばずっと夢の中にいるままなんだ。たまには足元を支え続けてくれるそれらに目を向けてみよう。昨日よりも今日という日がすでに明るいことにはっと気がつくからね。