空っぽのバケツ

日々

隙間

あなたの毎日はあなたが思ういろんなものでいっぱいいっぱいになっているね。スケジュールも分単位でぎっしりだし、とにかくやるべきことが山積みのままだ。そうやって時間とやることに追われて今日という一日もすぐに終わってしまう。そうして疲れて眠るまで、ずっとあれこれと考え続けている人生だね。週初めから次の休みを指折り数えて、それを目標にして頑張っている。それでも、昼休みや少しの休憩の時間を持とうと思えば確保できるんだけれども、その時間も結局休んだり立ち止まったりすることが怖くて、次の予定はどうしたものかと考えることで埋め尽くされたものとなっているね。それは少しも休憩にはなっていない。まるで止まってしまうことを恐れるような毎日を過ごしている。そんな風だから、あっという間に時間は過ぎていくし、その時間でなにか新しいことを掴む余白さえ失ってしまっているわけだ。

目的と手段

人生に最も大切なものは、そういう役割を演じたり、仕事を完璧にやり遂げることではない。それによってあなたは何を得られるかというと、おそらくは地位や評価やそれに伴う収入だと思い込んでいるだろう。けれどもそれは生きるという表面的な手段でしかない。そうではなく、あなたに本当に必要なのは余白だね。あなたというバケツに水をいっぱいにしてしまえば、水で満たされてしまいそれ以外のなにかは入る余地がなくなってしまう。そうではなく、水以外の何かをあなたというバケツに入れて楽しむのが本来の人生そのものだね。なんならそのバケツも捨ててしまっても良い。何かをいっぱいに満たさなければ幸せではないと思うがあまりに、スケジュールに少しでも隙間があると不安になるし、せっかくの休みなのに何もしないで過ごすことを恐れてしまっている。あなたが何かをしたからといって、人生は微塵にも変わらないままなことを忘れているわけだ。

リラックス

肩の力を抜いてリラックスしようとすればするほど、逆効果になるように、あなたはこれまで少しも休んだことすらない。旅行にでかけたり趣味に興じたりしていても、常にそれが終わったあとはどうしようと考える癖がついてしまっている。何もしないでもいいという時間がいつの間にか持つことができなくなっている。そんな状況であなたはあなたを生きているとは言えないね。空っぽのバケツがあるからこそ、そこにいろんなものを入れる事ができるし、入れないままでも良いわけだ。なのに、それが空っぽであること自体をいつの間にか恐怖に感じてしまっている。いつも空っぽだからこそ、あなたの人生には無限の可能性がそこに存在することができるというのにね。満たされないことが本来の姿であって、そこに何かがいっぱいになっているのは不自然なことなんだよ。なんならそのバケツごと手放す方が、あなたの手が自由になるんだからね。