推理小説の伏線

日々

変わらなきゃ

このままではいけないという病にかかってしまうと、すべてをひっくり返したくなって、できればあの頃に戻ってやり直したいと思うことがあるだろう。不思議なことに、そうまでしないと現状を変えることができないと思いこんでいる。それはどこから来ているのかを考えてみると、すべてが順序よく積み重なって今があるという認識によるものだね。それはまるで推理小説の、事件が起こった動機とか原因を探す癖みたいなもので、何も今更どうしようもない過去に戻らないと変わることができないわけではない。そんな思い込みからますます暗雲が立ち込めて、もちろん過去に戻る手段なんて現代社会においても見つからないので絶望してしまうわけだ。でもさらによく考えてみよう。過去に戻らないと現状が変えられないというのは、何ら根拠の乏しい思い込みとか勘違いでしかないことに気づくことができるかな。

犯人探し

もちろん様々な関係性の上でいろんな出来事が起こっているだろう。けれどもその出来事そのものに何らかの深遠な意味があると思っているのはあなただけだ。一方で同じような境遇でも捉え方が違っていれば、手放しに幸せとは言えないまでも、あなたのように袋小路でにっちもさっちもいかないという絶望の淵にはいないね。ようするに良いことも悪いこともこの世には存在せず、ただ複雑な関連性の中でのほんのある一部分がたまたまあなたの眼の前に出現しているだけだね。そして、冷静にその一端だけではなく、もう少し俯瞰して見ることができる視点を持てば、様相はガラリと変わることが多い。病は辛いけれども誰しも避けられることではないし、別れもこれまで全く無かった人はいない。失ったものなどなにもないと思っている人でさえ、あなたから見ればびっくりするぐらいのそれらが見つかり、あまりにその人が鈍感すぎて驚愕して見ているだろう。

心の旅

そう、すべては同じような現状や風景をどう見ているかで決まるわけだ。もちろん辛いことを楽しいと無理やりに変換しようとしても、それ自体に無理があるのでうまくはいかないだろう。そうではなく、その境遇の中で今できることを見つけられるかどうかで、少なくとも絶望の淵に立つことは少なくなるだろう。もしかしたら、まだ希望が残されていることを見つけて、その視点から再認識してみれば思っていたよりも問題は小さいかもしれない。いや、むしろそれを今見つけることができて、ラッキーだったと小喜びするかもしれないね。すべてはあなたの心の風景であって、それを気に入らないと思ってすべてを書き換えたいと思ってしまうのか、いやいやそれほど悪くないかもしれないとそこに希望を見いだせるのか、それだけであなたは大きく変わることができるね。