身の丈
ちょうどいい
現実はいつもあなたが思っているよりも物足りないことが多い。でもそれでちょうどいいわけだ。もちろん思っている以上の結果が稀に出ることがある。そのときは少し有頂天になったりもするね。けれども、それは長続きすることはなく、むしろその体験をしたがゆえに、それなりに良い結果だとしてもやっぱり物足りないもやもやが残ってしまう。ならば、それなりの結果をコンスタントに出せることに喜びを感じた方が、心の平穏を保ち続けることができるわけだ。過ぎたるは及ばざるが如しという教えは古来からそれを伝えている。過剰な刺激や、大きすぎる喜びはいずれにせよ、その後の人生を豊かにしてくれるどころかかえって不満を感じることが多くなるのはそのせいだ。かといって平凡で静かに過ごす日々をおろそかにするのは得策ではない。むしろその中に最高の幸せがあるのだからね。
ほどほど
すべてはあなたが選び尽くしたほどほどのところでとどめておくことが、豊かで平穏で充足した人生を送ることができる。あなたの身の丈に合わない財産や地位が豊かな人生を保証してくれるとなんとなく信じているけれども、それは大いなる勘違いだね。豊かさはあなたを守ってくるような気がしているけれども、そうなってしまったら、ほんの少しの損失をおおげさに感じてしまう。だからあなたの人生はそればかりに支配されて、身動きが取れなくなってしまう。かといって、毎日の生活でさえかつかつでなんとか代替品でやりくりしているようなミニマリストのような生活も同じだね。やっぱりその不足さばかりに支配され続けて、日々戦々恐々と過ごすことになるからだ。よく考えてみればあなたはそれほど極端な日々を過ごしているわけではないことが多い。もしそうならば、あなたは実は気がついていないだけで最高の人生を送っているとも言えるね。
日銭
資本主義の世の中だから、多くの人にとっての豊かさはお金の量が多ければ多いほど幸せだと思いこんでいる。もちろんお金が循環して成り立つ社会に暮らす以上、ある程度のお金は必要不可欠ではある。けれども、奢侈品をたくさん持っても使い切れないし、ごちそうを毎日食べたところで健康を害してしまう。さらにはそうやって消費してしまえばあっという間に残高が減っていくわけだ。たくさん持っているからおおらかに過ごせると思っていたのとはずいぶん違って、その減った分がどう取り戻すかに気を取られてしまう。あなたが持てる量はせいぜい両手いっぱいぐらいなもので、それ以上はこぼれてしまう。仮にそうしたところで、今度はあなたの身を守るために手を使うことができなくなる。そうなると現実的には片手でつかめるぐらいのものがちょうどいいわけだ。何も持っていないわけでもなく、かといって両手いっぱいにかかえていない分、いろんなことに対応できる。それが最高の幸せと言わずしてなんというのだろうね。やっぱりあなたにとって、ちょうどいいのが一番なんだよ。