あなた一人

日々

一人ぼっち

あなたは、周りに沢山の人に囲まれていると信じている。けれども、それはどこまでいってもあなただけが見えている世界であり、あなたがそこにいるということしかわからないね。いやいや、それでも好きな人もいれば嫌いな人もいて、もしあなただけの世界というのならば、好きな人だけにするはずだと思うだろう。でもそれもおかしな話だ。あなたが好きな人を認識するためには、必ずそうではない人が必要であるからそうなっている。そもそも好き嫌いなんていうのはなにかと比較しなければ成立しない。となれば、嫌いな人に悩まされているあなたも、それが好きな人がいるという状況を生み出すためのものなんだということに気がつくだろう。そうであるのならば、ただ嫌いな人だけにあまり注目することもなく、好きな人とだけ楽しい時間を過ごせば良いということがわかるはずだ。

波乱万丈

そうやって、あなたの世界ではあなたが主人公であり、あなたのためにあなたが望まないことも自らそれを生み出しているという仕組みがわかる。だって、望む人生そのものだけを生み出してしまうと、もはやそれがあなたの理想の人生かどうかさえどうやってもわかりようがないからね。必ず比較対象がいて、それと比べて幸せだとか不幸せだとかという毎日を繰り返している。そしてあなたは、それが勝手にそうなってしまって、避けようもない困難だと思い込むことができることで、その中からわずかな理想を探しているわけだ。そうやって再確認しながらそれを味わえるような状況をまさか自ら生み出しているなんて、にわかに信じられないぐらいに信じ込んでいるからこその楽しみだであり、幸せなんだよ。だからすべてはあなたがその視点を変えることで、世界そのものが変わるというからくりなんだ。

時空を超えて

そうやって、あなたは時空さえゆうゆうと超えることができる。過去を生み出すことができるし、未来を夢見ることもできる。もはやあなたは世界を自由自在に操ることができるわけだ。けれども、その真実を知ってしまうと途端につまらなくなると同時に、おそらくは寂しくなるだろう。すべてが自作自演だったなんていうのは、最後の最後に種明かしされればいいことで、今を夢中に楽しんで生きるためには不要なことだからだ。あなたが出会うすべてのものは、実はあなたが望んだことだけしかないし、たとえとても困難な状況で不幸だと感じていることも、あなたがそれを呼び寄せたとも言える。こんなに悲しく辛いことなんて誰が望むものか、と怒るかもしれないけれども、それがあるからその対極の幸せと夢が強く出現するわけだ。幸せを求める冒険は、あなたが主人公であり、登場人物はあなた一人だ。だからこそ、抱えきれない幸せを求めて、受け止められない苦しみを演出してつらすぎるとすれば、そもそもの台本自体を書き換えればいいだけなんだよ。