いつも青空の下で

日々

流雲

雲の上には驚くほどの青空がそこにある。飛行機に乗って移動したりすると体験することになるけれども、大荒れの天候で、それこそ飛ぶか飛ばないかとやきもきしているとき、あなたのいる地上の世界から雲の切れ目を縫ってそこから脱した時、あなたは妙な感覚に陥るだろう。あんなに悪天候だったのに、その上には穏やかな晴天が広がっている。そう、あなたの人生はポッカリと浮かんでいる雲のようだ。よく観察してみると、同じ形のようで刻々と姿を変え続けているし、どっしりと覆い尽くされているかのように、まさに暗雲立ち込める状況だと思っているけれども、いつまでもそれが固定化されているわけではないね。気がついたらあなたの頭上の雲はどこかへ消えてなくなっている。それがあなたが今見ている真実だと思いこんでいる様子と似ているわけだ。

見える世界

そこで、あなたから見ている景色は、一つも同じ姿のままではないことを知る。どんどん変わっていくことに気づくだろうし、すべては流転しているわけだ。でもあなたはそれに気づくことが少ない。そこで、ああもうだめだと思い込んで絶望の淵に立たされていると思ってしまうけれども、それは殆どの場合は間違っている。もちろん今日明日でなんとかなるようなことでもないとしても、だからといって永遠にそれが続くわけでもない。あなたがそうであるように、姿形が変わっていくのが真実であるからだね。そしてそれをひょんなことから突き抜けてその向こう側を見られた時、そこに初めて気づいてハッとするわけだ。まさに息を呑むような衝撃を受けるのは、あなたが何も見えていないことに気がつくからであり、本当の真実がなにかということを誤ってとらえていたからだ。でも残念なことに、地上で生活し続けているあなたには、その機会がそれほど多くないことだ。

モヤが晴れる

そうやって、気づく機会が少ないけれども、かといって全く訪れないわけでもない。けれども圧倒的にあなたの見ているそれらは、雲の下で展開されている。だからそればっかりに気を取られるのはある意味仕方がないことでもある。それで気をつけた方がいいことは、それがすべてだと思いこまないことだね。もはやあなたはその向こう側を知っているわけだからだ。ついつい見える世界がすべてだと思って一喜一憂してしまうけれども、それも含めてあなた自身のその癖を愛すればいいね。ただ、そこで自暴自棄になって行動することはやめておいたほうがいい。見ている世界は幻だからだ。幻に合わせてあなたが行動したり嘆き悲しんだりしても空振りするのは目に見えているからね。大体においてその向こう側に本来の景色が広がっているわけだから、そのことを時折思い出してみるといい。実はずっとあなたは息を呑むような真っ青な空の下で暮らしていることをね。