デジタル信号のあなた

日々

全部ウソ

あなたが今暮らしている世界は全く持って幻想だ。そういうと反論するだろうけれども、例えばあなたが信じて疑わない科学的エビデンスについても、数値にしても単位にしてもそれはそう決めたからそうであるだけだね。1秒間という単位があって、それが60個あると1分だと思いこんでいる。ところがその1秒間に根拠はないね。単位は世界共通だけれども、それはその方が都合がいいから勝手にそう決めただけのことだと気づくだろうか。もし1秒間が今よりも違っていたら、ことごとくすべての数値は変わってしまうね。もちろん、その中でも傾向や傾きは同じように語られるかもしれない。けれども、そもそもこの長さを1秒にしようと決めただけであって、なにか絶対的な基準があったわけではない。だから、変な話お金の単位は10進法なのに、時間だけはなんか変なことになっているわけだ。もはや今更それを統一しようとしても不都合が起こることが多いぐらいに標準化されてしまっただけであって、それが揺るぎない宇宙との関係性とリンクしているわけではない。

基準

そうやって1ミリが10個あつまれば1センチだとか、それが100個集まれば1メートルだとか、ややもすれば絶対値のような感じがするだろう。けれども、それには歴史的に恣意的にそうなっただけで、宇宙の真理ではない。もちろん物理学者や哲学者はその真理に向かって探求はしてきたけれども、すべては気がついたらそうなっているだけなんだ。となると、あなたの今の気持ちを決めているモノサシだって、それは現代社会での標準だと思いこんでいるだけだね。もっと言えばそんな荘厳なものでもなく、単にあなたの周りの人たちに影響されたローカルな尺度でしかない。それをもって幸せになりたいとか、不幸だとか決めつけているわけだ。それが文化や歴史によって風習が違う国に持ち出してみるだけで全く通用しなくなる。それぐらいのことで吹き飛んでしまうぐらいのモノサシでしかない。あなたの狭隘な世界の中でそう思い込んで絶望に淵にいるとすれば、その判断はちょっと思慮が足りないかもしれないよ。

紙切れ

紙幣に価値があると一斉に信じ込んで、それが絶対視されている世の中を資本主義という。お金があらゆるものと交換できる価値があると信じているからこそ、お金に物質的な意味以上の価値を与えることができている。しかも今では電子マネーの方が便利だから、絶対的な紙切れよりもそっちのほうが流通しているわけだ。もうお金という物質的なものよりも、デジタルの記号でしかないそれの方が貨幣と同等か、それ以上の価値を持ち始めているね。あなたが一ヶ月汗水たらして働いた報酬は、銀行のデジタルな預金残高に変わりつつある。そんな世の中で、何をもって幸せかとか不幸だとかとか言っていることすら怪しいわけだ。デジタルの数字が増減するだけで、人々の生活や暮らしやその先行きさえ決定される世の中である一方で、街を歩けば路傍に見知らぬ花が咲いている。それをあなたはスマホで撮影してデジタル化しているわけだ。もはやあなたはデジタル信号の中で生きているとも言える。全部ウソというのも、やぶさか間違いではない世の中だとも言えるわけだ。