支配からの脱出
嫌われる
できればあなたは、嫌われてしまうよりも好かれたいと思っている。あなた自身はそれほどそこを意識しているつもりではないにも関わらず、実は初対面の人と話をするときなんとなくぎこちなくなるのはなぜだろう。そう、本当のところ一番気にしていることがそれであって、それをごまかしてそんな小さな存在ではないよと思いこんでいるからだ。もはやそのことでそれ以上の説明はいらないぐらいに明らかになる。あなたが一番に気にしているのは、相手のファーストインプレッションに全力を傾けているという事実だ。あなたは自らをうまく騙しているから、そんなことはないと思いこんでいる。けれども、気にしていないといえば言うほど、そこには違和感しかないね。あなたはそれを一番恐れているし、できればいい人だと思ってもらいたいと切に願って、すべての行動はあなたの素直さなんて微塵にもなく、全部嘘っぱちの言動でしかない。
苦しみの原因
だからそれがうまくいかなったとき、誤解を解こうと躍起になってしまう。あるいはそうなってしまったことに、一番の意識を傾けてしまうわけだ。それは悩みとなってあなたをずっと苦しめてしまう傷跡となる。もうずいぶんも前で過去のことであっても、ふとした時にそれを思い出してその時に苦みを感じてしまうぐらいに強烈な思い出となっている。なら、なぜそこまでのインパクトを与え続けられるのか。それは、自然な現象ではなく、単なるその過去の思い出を強化するようにあなたがそれに対してエネルギーを注ぎ続けているからに過ぎない。言い換えれば、あなたはそればかりを気にして生きているわけであり、もっと極端に言ってしまえば、あなたの人生の主軸は好かれたいという欲求がほとんどだからだね。いい人だと思われたいという強い願いがあなたの人生のほとんどを貫いているわけだ。
本音
あなたがそれほどまでに好印象を持ってもらいたいと思うのはなぜだろう。口では万人に好かれるなんて贅沢過ぎるとか言いながらも、実はほとんど多くの人に愛されたいと思っている。それはあなたがここにいて良いんだよと言ってほしいからだね。あなたは何者でもないあなたでは不安で仕方がない。それよりも、あなたがそこにいてくれてありがとうと言われたいと切に願っている。だってそれがあなたが今ここに生きているという証左にもなるからだ。言い換えれば誰にも相手にもされず、いるのかいないのかわからない状態では、自らの存在価値すら危うくなってしまうことが死んでしまうことよりも一番怖いわけだ。では、なぜそれほどまでに他者承認を求めているのだろうか。それは自己承認が危ういからだとも言える。誰にも相手にされず、誰からも何も言われなくても、あなたはあなたでそのままでいいと思うことができないからだ。他者依存してしまう癖はあなただけのせいではない。そうやって誰かに操作されたからそうなっているだけだ。表面的にゴーイングマイウェイだと教えられたとしても、実はそれはそうやって支配されていることに気がつくだろうか。まずはそこから解きほぐしていくことだ。