前を向いて
前しか見えない
例えば飛行機のコックピットとか、新幹線の運転席とか、ロケットの操縦席とかには、窓は前にしかついていない。後ろは基本的には目視できない構造になっている。でもあなたは、振り返ってばかりして、前はこうだったとか、昨日はとてもうまくいったのに、とか、あの頃はモテモテだったのにとか、そういうことばかりが頭に渦巻いて、目は確かに前についているのだけれども実のところ前は見ているようで見ていないわけだ。高速に動く乗り物には基本前がしっかりと確認できる構造になっていることからわかるように、後ろを振り返っている暇はないね。なぜなら高速で移動するが故に、遠い先をしっかり確認できないとあっという間に衝突する危険があるからだ。あなたも今の状況から脱出して次の場所へ大急ぎで向かいたいならば、しっかりと前に注目する必要がある。今の状況から抜け出すためには、必然的にそうなるわけだね。
振り返り
そうは言っても、振り返って反省して次へ活かすことがなければ、同じことの繰り返しになる。だから時折後方確認も必要となる。ただし、その比率としては前と後ろでいうと前の方が圧倒的に重要だね。もっと言えば前の安全を確認しつつ、時折後ろも把握するぐらいの割合となる。それが一番安全に航行する秘訣でもある。だから、時には後方確認も必要だけれども、後ろばっかり見つめていては安全に前に進むことすら困難となるわけだ。圧倒的にどちらに注目しなければならないかは、それに気がつけば自明のことだね。ほとんどは前を見ていることが多いのだけれども、もしそれが後ろばかり気になっているのならばそのバランスが崩れていることに気がつく必要がある。過去の栄光や名誉は、ごくたまに思い出せば良くて、ほとんどの時間はそれすら忘れてしまっているのが、あなたの安定と安全のためにはいい塩梅になっている。
夢中になる
だから、とにかくこれまでのことや振り返りは、前を注視した合間にほんの少しの時間でやればいい。振り返りに時間がかかっては本末転倒でもあるわけだ。やってみたことがうまくいかなったときのおおよその反省をしつつ、それでもあなたは高速に前進し続けるわけだ。そのスピードとアンバランスな行動は、あなたをかえって不安定にさせるし、恐怖に身をさらすことになる。だからこれまでのことはそこそこでいいわけだ。悩んで立ち止まってゆっくり考えるのも悪くはない。それは停止しているからだね。でもずっと停止し続けているのに、その状況から脱出できるかというとそれは無理な話だ。次の場所へと移動することで、あなたの世界は刻々と変化していくのだからね。そして、その前進する原動力こそが、あなたの行動そのものであり、そのせいで時には迷ってしまうこともあるわけだ。けれども歩みを止めるとそのままだし、後ろばかり見ていてもぶつかってしまう。ならもうあなたが取るべき行動は一つ、前を見て進むだけしかないということだよ。