不安というマーケティング

日々

不安

現代社会では常にあなたを不安にさせようとしていることは知っておいたほうがいい。将来に対する不安や今の不安は、もしかするとあなたにとっては全く関係のないものかもしれないね。資本主義の世界の中で、数多ある商品を購入させる仕掛けとしてマーケティングという手法があるけれども、それらの本質はあなたを不安にさせようとすることだとも言える。不安になるから、消費行動を人々に促すことができるからね。周りのみなさんが持っているものだとか、今だけお得だとか、限定商品だとか、そういう謳い文句でつられてしまうことが多いだろう。例えば洗剤は、汚れが落ちればそれで問題ないわけだし、冷蔵庫は食品を冷やすことができればいい。ところが、それだけだと必要だと思う人だけにいきわたればそれで売れなくなってしまう。だから、より付加価値をつけて、毎年新機能や便利機能を謳い文句にマーケティングされるわけだ。それがないと日常生活が不安に満ち溢れるという喧伝を大々的にするのが商売なんだ。

人生設計

それがあなたを悩ませる原因であることは間違いない。人生設計などといって、まだ起きてもいないことを想定したり、特に生きていくのに必要のないものに高額の商品を売りつけたりするには、不安にさせることが必要だからね。まだ持っていないなんて信じられないという無言の圧力をかけることで、それがないことに対しての不必要な不安を煽っているわけだ。それを手にするにはもちろんお金が必要なわけで、それが必要だからあなたは嫌な仕事に毎日いかなくてはならない。そしてようやく手にした僅かなお金で、それを手にすることができるわけだ。誰かの思惑に決められた便利な生活を送るためにあなたはすべてをなげうっている状況だとも言える。よく考えてみてほしいのは、その多くは特に手にしなくても大丈夫なものばかりだろう。生きていくのに思っていたよりも遥かに少ないもので十分だからね。ところがそれでは経済的な繁栄ができないし、ある特定の人に余剰な利益をもたらすことできない。だから、あなたはどんどん不必要だけれども便利で文化的な生活のために必要だとされているそれらを死にものぐるいで手にしようと努力しているわけだ。

脱却

そういう世界では、休日を楽しく過ごすためには大枚が必要となる。テーマパークにいかなければ楽しめないとか、皆が一斉に休日を取るが故にいつもの倍以上の価格を支払わなければならないとか、それをするために人混みがあなたを疲れさせるとか、そういう世界から脱却できたならば、閑散期を狙って同じように楽しめることができる。しかしながらそれさえも邪魔するように、あなたをいつも脅しているのが資本主義の世の中だね。いつもはより良い暮らしのために働かなければならないようになっていて、ようやくの休みは一斉に同じ時期となるように仕組まれている。だから、どこか不合理を感じつつもそれがまるで文化の一部だとして受け入れざるを得ない状況なんだ。少しばかり知恵を働かせれば、そこから脱却するのもそれほど難しくはない。だから、不安が極端に肥大化していくならば、違う視点を持つことをおすすめするよ。もちろんだからといって世捨て人になれと言っているわけではない。そこまでしなくてもできる方法はいくつか見つかるはずだからね。