あなたを手放す
成功体験
あなたはずっと成功体験にこだわるがあまりに、それ以外の可能性を踏み潰している。だから、成功体験などという過去はどんどん手放すことが大切なんだ。鉄板トークだと思って披露し続けているうちに、一ミリも受けなかったりするのもそのことを教えてくれている。その瞬間に成功体験が失敗に変わるわけだ。実は、成功体験は失敗体験の卵でもあるということをそこで知らせてくれているわけだね。だから、これまではそれでうまくいったと思うのはすぐに忘れてしまうぐらいがちょうどいい。世間を賑わせている老害という呪いの言葉も、実はその意味では同じことを示唆している。あの時代はこうだったとか、これまではこれでなんとかなっていたというところから学ぶことは無駄ではないけれども、それは一つの成功体験でもあり失敗でもあるという認識を忘れないようにとを示唆してくれている。これまで順風満帆であったからといって、いつまでもそれに固執するのはまさに失敗そのものであるわけだ。
手放す大切さ
だから成功であっても失敗であっても、いつまでもそれに固執するのことこそが、一番やってはいけないことであるわけだ。そうではなく今ここにあるという意味は、そういうものを超越した今にいなさいということだね。もちろん、参考程度にそれを思い出すぐらいは仕方がない。けれども、それを自らの理論の根拠に据えた瞬間に、それ以降は今にはいない過去の偉人として生きることを選んでいるに等しいわけだ。もちろん、これまでの功績がゼロになってしまうわけではない。けれどもそれはそのときのスナップショットでしかなく、それに依拠するような価値のあるものではない。今ならどうするかという一点であなたが次の何かを生み出す可能性が広がるわけで、過去の栄光にこだわり続けよということではないからね。どんどん忘れて、何なら今生まれてきたばかりだという意識が、新たな体験を得ることができる唯一の方法なんだ。
こだわり
あなたがあなたであるが故に手放すことが困難になっている。そのことで、新しいあなたを迎え入れることもできず悶々とした日々の繰り返しになっている。それがわかれば答えは自ずと出るわけだ。これまでのあなたは存在しない。今しかあなたという幻影が発生できないからだ。そのシンプルでかつ真実に気がつけば、記憶がどれほど邪魔なものか、それに依拠した思考がいかにチープなものなのかを深く理解することができるだろう。要するに成功体験は邪魔でしかなく、ある意味今を生きるあなたにとっての足かせになっているわけだ。そんな記憶はいち早く綺麗さっぱり消去したほうが、今幸せになることができる。今どうすればいいのかと思案にくれているとき、一番不要なものが過去の栄光なわけだ。ちょっと切ないかもしれないけれども、それが真理だね。そういう意味ではあなたらしさとかこだわりがあなたを不幸にする根本原因でしかないわけだ。あなたがあなたでなくなるとき、本当のあなたがそこに映し出されるということだよ。