乱世

日々

やっぱり

あなたが気になることを調べてみると、ほらやっぱりあなたが正しかったんだと思う情報に出会うわけだ。だからそら見たことかとあなたはそこで安心して、ますます我道が間違いではないと確信してしまう。これをエコーチャンバーと呼ぶのだけれども、あなたがそう思う傾向があるとSNSはレコメンドしているからこそ、あなたが思う情報が次々と提供されているだけのことなんだ。けれどもそれが全体的に俯瞰したとしてもそれが正しいと思わせる偏った情報ばかりだということに気づけなくなるわけだ。そんな操作すら裏側のアルゴリズムによって操作されていることすらも知らないまま、あなたはどんどん偏っていくわけだね。だから一旦スマホの世界から離れたほうがいいわけだけれども、かといって今更あなたが興味のない書籍に戻ることすらも億劫になっているわけだ。

本棚

ヨーロッパではまだまだ書籍を読むことを好む読書層が一定数残っているから、家具屋のカタログに大きな本棚がまだ売られている。けれどもこの国ではそもそも家が小さいというのもあるけれども、立派な本棚という家具はほとんど絶滅しているようだ。そんなスペースを取るぐらいだったら、好きなガジェットやアイテムを並べたほうが幸せになれるからだね。本なんていう文化が廃れて、パソコンを使えない若者が増えて、すべてはスマホで完結できるようになった今、あらゆるものがコンパクトに収まることが好まれる時代となったわけだ。不思議なことに一方で、レコードやカセットテープの時代で使われた電蓄やラジカセなんかもリバイバルしていようだ。もちろんそれは多数ではなくあくまでも懐古主義的な一部の若者に受けているようだけれども、すべてを根絶することなんていうのは難しいことがそこからわかる。けれどもガラケーなんかはシステム的に抹消されてしまうわけだから、文化としてのそれとは全く違う事情が背景にはあるようだね。

依存

要するに何に依存するかで人生が大きく変化するわけだ。さらに言えば、あなたは何でできているかによって世界も大きく異なるわけだ。だからどれほど言葉を尽くして対話したところで、分かり合えない壁がそこには存在してしまう。もちろん、分かり合えないといけないわけでもないから、それこそ国が違って文化も違えば価値観や規範も大きく異なるのはこれまで通りである。でもその単位が大まかにお国柄という括りから、その国の中でもどんどん分裂していき、もはや地域によってバラバラに分断されつつあるわけだ。そこでわかるのは、メタ認知的に捉えると、現代はまさに戦国時代の再来とも言えるね。政府や国家には何かしらの権威があって、影響力も持ち合わせていた時代から、もはやそこに訴えたところで何も変わらない時代に差し掛かっているようだ。そんな乱世の時代にはこれまでのやり方を踏襲する前例主義は通用しないわけだ。それなのに今だに資格だのスキルだの学歴だのと言っている人がいる。それもかつての乱世の繰り返しの証拠として捉えられるわけだ。時代を切り取るその感覚は、やはりSNSからは見えない。一部の読書層が気がついているだけの秘密になっているのだからね。