すべては幻
プランB
計画を立てるにも、もちろんその通りに順序よくことが運べば理想だね。けれども、万が一というかそれではどうもうまく行かないケースが考えられるとき、おそらくは代替案も用意しておくことがあるだろう。一番わかりやすいのは、旅行で現地に到着してBBQなどをやって楽しもうなんていうプランでも、雨天時は屋外から屋根付きの場所へ移動して決行するのか、それともレストランで優雅なお食事に変更するのか、なんてあらかじめ用意してあることが多い。そういう不確定要素に対して、事前に準備しておくことでどちらでも楽しいひとときが過ごせるようにしてあるわけだ。普段の段取りでもそういう代替案をたくさん持っておくと、予測不能なことが少し減ってどんな状況でも確実に楽しむことができるわけだ。いまさらそんなこと、と思うようなことだけれども、意外とこれをやらない人が多いね。もちろんあえて退路を断つというつもりなのか、もうこれしかベストな方法がないとか、いろんな理由があるだろうけれどもね。
臨機応変
その場で咄嗟に対応したことは、場当たり的というか偶発的な要素が強いせいで、正しく評価されないことが多い。その背景には、ゼロヒャクの完璧主義がベストだという基本思想が見え隠れしているね。いわば事前準備外のことでたまたまうまくいったとしても、指導者や上司からはしかめっ面されるだけとなる。それはあらかじめ準備したという過去の努力がなく、それを今ここで実行できたという成果でもないとみなされてしまうからだ。そういう咄嗟の判断を軽んじて、事前に熟考を重ね、練習を積み上げてきたものほうが価値があると思い込む悪弊だね。もちろんその側面での評価軸がないわけではないだろう。けれどもそんな予定調和のためだけに段取りや計画を立てているわけではない。それが行き過ぎると、レールの上を決められたように歩む人生なんていうライフプランが描かれてしまう。なぜか誰も彼もが一律に似たような人生を歩むことが正しいことのように見えるから不思議だ。
アドリブ
シンプルに、人生はすべてアドリブでできている。計画も段取りも事前準備ももちろん楽しめば良い。それらもアドリブのために用意されている。あなたの今はここにしかない。一方であなたの過去や未来はいくらでも「今」書き換えられるわけだ。それこそ環境や状況に応じて、あなたにとっての同じことが、全くの違ったものに七変化する。それぐらい過去の実績や経験というもの自体は、ある意味あやふやであるのかないのかわからないものぐらいに思っていた方がいいね。そんなものをあなたの拠り所にすると、すべてが不安定になるのはそのせいだ。幻にしがみつこうとしているのと同じことだからね。未来の夢や希望も同じだね。これらは未達のものだと思いこんでいるから、あなたもそれを根拠にはしない。どちらかというとエンジンのエネルギーとしてうまく使えるだろう。どちらも同じ幻だとしたら、上手に使える幻を巧みに操ることができれば、永遠の楽しみを手に入れたのも同然だね。