あんたが大将
大きな目標
学校でも会社でも大きな目標を掲げて、それを達成するために四苦八苦しているだろう。考えてみれば幼い頃から、夢を叶えるとか、大志を持って取り組むべきだと教えられたわけだ。それはそれで有意義なことかもしれないけれども、その夢や大志というのがあまりに陳腐なことが多い。いい成績でいい大学に入っていい暮らしのためのいい会社になんとか滑り込むことだったり、自分の生活だけを安定化するだけの糧を得るためのビジネススキルだったり、会社という利益追求団体がより儲かるような効率化だったりするからだ。そんなものはあなたの人生の充実度とは全く似て非なるものなんだけれども、それが良いことであり真実であり、人生の意義だと教わってきたが故に、愚直にそればっかりに人生を費やしている。もちろんそれによって毎日がワクワクする光り輝いた人生であれば何も問題がない。けれども、そうやって我が社、我が校、我が家、そしてそこに所属しているわたしだけの利益を最大化することで幸せになれた例がないのは不思議なことだね。
意識潮流
それらは結局のところ大きな流れに沿っているものではなく、あなたを疲弊させるような逆流を起こしてしまう。人生という大いなる流れに沿って、まずは自らの健康や安全を第一にして、他人からの評価はそこそこにすればいいだけのことなんだ。けれどもそれだと先の我が社や我が校の利益を最大化することにはならないと教えられているが故に、サボりだとか怠惰だとかと思い込んでいる。すなわち個人最適である適度な脱力と、組織としての利益拡大が乖離しているわけだ。そして真面目なあなたは組織のために身を粉にして働くわけだ。自らの健康を犠牲にしてでもそれをなんとか獲得しなければならないと信じているからだね。それが回り回ってあなたが幸せになる最短経路であり、それ以外の気の緩みが生まれてしまうからこそ未だに十分に達成できていないとしたり顔で上長から説得されているわけだ。
努力は有害
頑張ると報われるとなぜか信じているから、あなたは自己犠牲を厭わない。ところが単純な話あなたが健やかで、元気で、笑顔でいられる時間を犠牲にしてまでもいつかの幸せに思いを馳せているのは滑稽だと気づくだろうか。まずは家事や気になるところの掃除や、やるべきルーティンワークを楽しんでやれるぐらいの余裕がないと、それらをすべてあなたの夢や希望に比べたら取るに足らないことだとおざなりにしている。潜在意識はそこをごまかせないから、何をやっても心からの安寧は得られるはずもないわけだ。ゴミが落ちていたら拾うとか、困っている人がいれば声をかけてみるとか、頼まれごとがあれば率先してそれをやるとか、そういうことが十分にできてこその夢や希望だからね。結局のところ自らの体調管理とか、健やかに笑顔に過ごせる時間を十分に持つとか、嫌なことは嫌だとはっきり言って断るとか、それができてこそだね。多くの場合はその順序を間違えている。だから流れに身を任せられず、なにかに固執して抵抗してしまって疲弊するわけだ。組織ファーストではなくまずはあなたファーストでしか、あなたの幸せが来るわけがないのはそういういことだよ。