文明と知恵
暑い夏
夏は暑い。今では熱中症アラートとかで、外出は特に控えてエアコンを使用して快適な室内で過ごすことを勧められるね。もちろんそれで命が助かるのならばそれに越したことはない。ところが皆がそうすることで、電力の需給は逼迫し、室内を冷やすということはその熱が外に発せられるわけだ。そうしてますます屋外の温度が上昇するわけだね。熱量保存の法則の中で、できるだけ外に出ないということはそういうことだね。ますます屋外にいることが危険な状況になるわけだが、夏の暑さは昔からそんなもんだったような気がする。もちろん、だからといって外にいなさいとか、エアコンの使用を控えなさいという意味ではない。けれどもちょっと現代はゼロリスクになりすぎて、文明の利器であるエアコンを積極活用することで快適に過ごすことを、半ば強制されているわけだ。脅かしているというぐらいの意味ではないにせよ、夏は暑いものだし、それをやり過ごす生活の知恵は色々とあったはずだね。
コンクリートジャングル
土の部分が極端になくなって、アスファルトやコンクリートで覆われてしまっている。だからこそ、蓄熱して昼間の温度は思っていた以上に上昇してしまうわけだ。暑くなればなるほど各所のエアコンは唸りを上げて冷やそうとする。その排熱が外気の温度を上昇させてしまうわけだ。そうなれば外に出るのは危険な状況に陥ってしまうのは仕方がないことだろう。だから外気温が上がるエアコンをフル活用してでも室内で過ごせという司令は文明社会の必然でもある。外気温が高くなればますますエアコンはパワーを上げて冷やすわけで、室内にいる命を助けるために熱を排出するしかないわけだ。なんかちょっと違和感がそこにあるのは、打ち水とか水遊びとか、わずかな風でなんとか凌げる気候をわざわざ高温多湿な状態にしていることだね。仮にエアコンがまったくない社会において、ここまで気温が上がるのかという検証はもはやできない状況だけれども、そうなれば全体的には少しはマシになるのだろうか。
快適さと便利さ
今はエアコンさえあれば、どれだけ猛暑であっても室内にとどまることで快適に過ごすことができる。一方でずっと室内でいるわけにもいかず、少しの間でも外を歩かなければならないわけだ。そのときの気温差がかなり大きくなってしまっている。エアコンが効く室内は25度なのに、外気温は35度なんていう世界が当たり前のように広がっているわけだ。その差は10度もあるわけで、その急激な温度変化は肉体にとってはかなりの負荷となっている。そこで体調を崩しがちになってしまうわけで、人によってはその差が大きすぎて自律神経がやられてしまうほどだね。暑い夏は命を守るぐらいの工夫によってなんとか凌いできたわけで、もちろんムリは禁物だ。けれども、できるだけの体温上昇を緩和してやり過ごすいろんな知恵がそこにあったわけだ。エアコンはそういう昔ながらの知恵をすべて破壊するぐらいのインパクトがある。涼しく過ごすことはもちろん大切だけれども、先人の知恵も合わせてなんとかやり過ごせるといいね。