ずるいのはあなた

日々

力さえあれば

ルールとか法律とか権限とか肩書きとか、それさえあれば目の前の問題を解決できるという発想が生まれた時は注意した方がいいね。そもそもそれらがないとコントロールできないと考えている時点でかなり重症で危ない。権力とか権利とか正義とか悪とかという視点には、それらとは反対なものが同時に生まれているからね。それらの力がないとできないと思ってしまうのは、常日頃から隠しているどうしようもない自分自身に対してそう思っているというカラクリがあるんだよ。相手に自分を投影してしまっている時は、冷静になって考えてほしいんだけど、強くそれらを求める先には一体何があるのだろうね。

懲らしめる相手はどこにいる

好き勝手に振る舞って、周りの迷惑を考えない。そういう悪には大義名分、懲らしめることができる拠り所を求めてやまない。おらに力をくれってやつだね。それが行き過ぎれば恐ろしいことになりがち。どうして大義名分が必要かというと、それは執行したあなたを守るためだけだよね。仮にそういう立場になって、悪いやつをやっつけてしまえば、あなたの気分は晴れるだろうか。スッキリするだろうか。きっとそうなると思っているとしたら、それはどこからくるのだろうか。え?みんなも「よくぞやってくれた」と称賛してくれるに違いないって?そうかもしれないね。でもそういうみんなはどんな思いでそう言っているんだろうね。そこを注意深く紐解いていくことをお勧めするよ。その気持ちよさの根底にはどんな欲求が隠れているのか。

思い通りに動かす

自分の人生すら思い通りにならないのに、他人のコントロールはできるという視点には、実はあなたもコントロールされたいという欲求が隠れているね。いろんなことに配慮してあなたが強く我慢しているからこそ、それを守らない存在に憤りを感じている。ということは、ひそかにあなたも我慢したくはないということではないかな。特に嫌いで、気に入らなくて、自分勝手で、傍若無人な振る舞いに対して過敏な状態とは、あなたの本心はずるいってことじゃないかな。そうでないと、そもそも気にもならないし、すべてをコントロールするための力が欲しいなんていう発想は生まれないはずだよね。ずるいは許せない。これほど我慢してるのに。そう、あなたはずっと我慢している。本当は我慢したくないのにね。

とんでもないのはそう思っているあなた

とんでもない人は紛れもなくあなたの心の中にいるわけ。そしてあなたの本質的な欲求をいけしゃあしゃあと叶えて続けているんだよね。だからどうしても許せない。よく考えると「とんでもない人」は本当のあなたなんだよ。許せないずるい人と思って振り上げる拳は、その人ではなくあなた自身に振り上げているだけなんだよね。とんでもない人と思っている正体はあなたなんだよ。そしてあなたであなた自身に拳を振り上げていることになる。そうすることで、あなたの本性を顕にせずにすんだことに、助かった、もう少しであなたはずるいあなたになってしまうところだった。そう思ってほっとしてすっきりしているだけ。自分自身の裁くのにルールとか法律とか権限とか必要はないよね。許せないと思うあなた自身がどうするかを突きつけられているだけなんだからね。