幕引き
ほどほど
なんでも真剣に考えることがいいことだと教えられてきた。どんなことにも手を抜かないことがアウトプットの品質を高めるからね。でも、実際はすべてを満点にすることはできない。それであなたは浮かない顔をしているのだろう。けれども、人生においてあなたが思うように完璧に処理することなんて無理だね。そこそこの合格点が取れたならそれで良しとする方が自然だ。特にこだわりの強い部分はもう誰にも譲れないから、あなたは一人で全部抱えてしまわないと気がすまない。そういう信念があなたを幸せにするならまだしも、ますます浮かない顔の毎日を送ることの原因となっている。塩梅という言葉があるように、いい加減のところが最高であって多すぎるのも少なすぎるのもだめだ。だからいつも100点満点でないといけないと思いこんでいるのも間違いだと気づくだろうか。完璧主義はそういう意味でもよくなる方法ではないので今すぐにでも手放した方がいいね。
満点エリート
満点を取ればそれ以上はなくなる。その狭い部分では同列になったとしても誰にも負けないということであり、褒められることがあっても蔑まされることはない。あなたの自尊心を維持するためには必須だね。少しでも隙があればすぐに揶揄されてしまう競争社会だからだ。社会に出ても、ノルマやTODOを完璧にこなすことで評価され、必然と役職や収入が上がっていく仕組みだ。そこでちょっとしたヘマをやらかしたら、すぐさまライバルに蹴落とされてしまうヒリヒリとした状態を生き抜いていかなければならないからね。しかし、誰しもがそうだけれども、ずっと満点で居続けられた人はいない。いずれあなたの全盛期は終わり、終わった人となるわけだ。そうなってもまだそこにしがみついている人にたまに出会うこともあるね。もう過去の栄光にしがみついて、それによってなんとか満点であるアピールをして未だに競争社会でなんとか勝ち残ろうともがいている姿は、あなたは哀れみをもって見つめているだろう。
代謝
生きているということは日々劣化していることだ。だからかつてのあなたはとても優秀で自慢できる存在だったのはそうだろう。けれども、ずっとそのままというのは自然の法則からしてあり得ないことだね。でもそれを手放す時期を見極めるのもまたとても難しいだろう。後進に席を譲るその時は、一体どのタイミングだろうと考えても答えはわからないままだ。しかしながらそれはそう考えた瞬間に訪れていると思っていい。すなわちあなたの年齢を問わず、一息ついたそのタイミングで身を引くことが一番の最善策だろう。それによって少しばかり動揺することがあるかもしれない。けれどもそれもあっという間に収束するだろう。あなたが思っていたのとは全く別物になっているのに、あなたは困惑するだろうけれどもそれが新しく生まれ変わるということだから心配しなくてもいい。あなたはそんなことを見ている暇はなく、次のあなたのステージでの活躍を期待されているのだからね。一度振り返ってみたら、もう前を向いて歩きだそう。