つまらないと言える幸せ

日々

繰り返し

日常はいつもの繰り返しのように考えているね。いつもと同じ道を歩き、いつもと同じ場所へ向かい、いつもと同じ勉強や仕事をする。よくわからないこともあることはあるけれども、大抵は楽しいことではなく粛々といつものように対応をしている。それが人生のほとんどを占めているから、そうでない休日が待ち遠しく思っている。ところがいざ休日がやってきたとしても、思っていたようには過ごせず、これもまたいつものように何もできないままあっという間に過ぎてしまうね。ああ、こんなはずじゃなかったとまた日常の繰り返しの世界へと誘われてしまうわけだ。ふとした瞬間に、幼き日々の思い出が蘇ってあの頃はもっと毎日がときめいていきいきしていたと回顧したりもする。その頃と今は一体何が違うのだろう。できればあの頃に戻ることができれば、もしかしたら日常がキラキラ輝く世界へ戻れるのかもしれないと思ったりしている。

人生の達人

そう思ってふと周りを見渡すと、今でもいきいきと楽しそうに毎日を送っているような人の存在を知る。あなたはそれを羨ましく思って見ているわけだ。仕事がすべてではなく、かといって何もしない休日が続いたとしても同じようにつまらないと感じてしまうあなたとは違って、何がどうあってもその変化や逆境をまるで望みが叶ったようにスイスイと上手に渡り歩いているように見えるからだ。そこであなたはそんなふうになれたらどれほど幸せだろうと感じるのと同時に、どうしてあなただけがそれができない境遇なんだと恨めしく思ったりしている。でもそれは全くのあなたの勘違いだね。あなたも誰かから見るとそのように見えているからだ。いやいや、そんなことはないとすぐさま否定するだろうけれども、つまらないと思えるほど何事にも動じず易易と人生を渡り歩いているのだからね。あなたの思いとは裏腹にそう見えてしまうのは、あなたが何事もなかったように毎日淡々と過ごしている様子がその一番の原因だね。

完成

そう、あなたはすでに完成されている存在なんだ。だからこそつまらないと思っているわけだ。もしそうであるのならば自らその退屈さを壊す行動を起こす余裕があるという証拠でもあるね。実のところ幼き頃のワクワクやときめきは逆に言えば日々なにが起こるかわからないという恐怖とともに生きていたからそうなっていたわけだ。ほとんどが未知の世界であって、一時も気を抜けない状況にいたからそうなっていたわけで、今はそれらの経験と知見をもって少しぐらいの動乱には冷静に対処できる力を持っているわけだ。なら、本当にワクワク・ドキドキする人生を送りたいと思うのならば、今の状況から違う世界へ飛び込んでみればいいだけのことだと気づくだろう。スクラップ・アンド・ビルドと言うように、少しの勇気を持ってその場から移動するだけで波乱万丈な人生の冒険を体験することができるはずだ。それらをすべて知っているからこそ、つまらないという素晴らしき今がそこにあるわけなんだからね。