悪魔と仲直り

日々

謙遜

へりくだってものを言うのは、基本的にはリスペクトがそこにあるからだ。しかしながらいつもそうだとは限らないね。わざとそうすることであなたを優位に保つためでもある。それは表層的にはへりくだっているようだけれども、実は一番の防御姿勢とも言える。そうやってへりくだっているフリを続けていると、あなたにはその嘘のせいによるしっぺ返しが必ず来ることを知っている。いわゆるストレスがその代表だね。自らを蔑んだり、自己肯定感を一時的にでもキャンセルすることで、得も知れぬ怒りが湧き上がってしまうわけだ。自己保身のためにやっていることなのに、実はその代償は少なくない。今どきで言うコスパとしては最低だとも言えるね。それならそんな保身はやめて素直にあなたの意見を言えばいいだけのことだ。ところがそれをするとまた長期的には無視されたり嫌われたりして損すると思い込んでいる。もはやいずれの態度をとるにせよ、なんらかの不利益を被るという八方塞がりの状態に陥ってしまうわけだ。

虚偽の尊敬

そこには、誰かを敬うということに対する誤解がそこにある。相手とあなたを分離することで、あなたはあなたとして際立たせているわけだけれども、そもそもそういう区分自体が間違っているとしたらどうだろう。あなたの世界で触れ合うすべての人の中には、あなたが苦手な人も確実に存在するだろう。中にはとてもあなたの価値観とは相容れない人も存在するだろう。それらがすべてあなたが生み出した幻想だと言われたところで、にわかに信じがたいね。もう想像を絶するぐらいにとんでもない人も含まれているからだ。でも、それらはすべてあなたを際立たせているのもこれまた事実だね。ああにはなりたくないとか、あなたが忌み嫌う当事者にならなくてよかったと胸をなでおろすのもそういうことだ。逆に言えばそんな人が全く存在しない世界であれば、どれほど平穏な日々を送れるだろうと切望したりもしている。でも、そう思っているのもあなたとはかけ離れた存在を知ることでしかできないことだ。

真の博愛

出会う人に対して基本的に丁寧に尊重するということは、実はとんでもない存在を消し去ることでもある。あなたが大切にしたいそれらをなんのわだかまりもなくそのまま受け入れることで、実は最悪な見たくもない世界が自然と弱体化するようにできている。あなたが心の底から素敵だと思える人をそのまま受け入れることでそれは実現することができる。逆にそこに損得勘定が働いて、そんな下心を持って表層的に繕っているとしたら、あなたの言うとんでもない存在が同時に出現してしまうわけだね。そういう意味ではあなたがその最悪な存在をわざわざ生み出しているとも言えるわけだ。あなたに潜む最悪な悪魔がそれらを出現させていることに気がつけば、何をすべきかがすぐにわかるだろう。心から幸せを願い、祝福を送ることができれば、元凶となる悪魔は存在価値を失って消えていく。しかしながら、あなたが自らの立場を守るための嘘っぱちの態度を続けるならば、それは悪魔に見透かされてしまうね。悪魔は神と同じでいつもあなたのそばからあなたを見つめているわけだ。あなたがどう生きるかを常に見ているんだよ。