現れたり消えたり

日々

あなたが消えるとき

無我夢中になってあることをやっているとき、あなたはその物事と一体になっている。ところが、もっともっとと思い出した瞬間に、あなたがくっきりとそこに出現してしまう。そうすると行き詰まるようになる。とにかく夢中で何かをしているときは、後になってしかそうであったとしか思えない。そのときにそれを思ったら、その瞬間に一体感は喪失してしまい、あなたとそれがくっきりと区別されてしまうからだ。あなたの魅力はなにかになっているとかではなく、そういったあなたがいなくなったときに最大限に発揮するわけだ。ところが、かっこいいだろうと余計なことを考えた瞬間にその絶妙なバランスはあっという間に崩れ去ってしまう。だから、あなたがカッコつけているときは最高にカッコ悪いわけだし、それで人が魅了されて注目されると思っているかもしれないけれども、それは他人があなたに対して気を遣っているだけのことで、本心では呆れられているわけだよ。

俺様理論

あなたがあなたであろうとすればするほど、あなたの内面でのあなた自身がよくわからなくなってくるし、他人からしても全く魅力を感じない状態となる。だから、誰からもあなたが思っている以上に評価されることもないだろうし、それを期待するがあまりに周りに不平不満をぶちまけてしまうだろう。もっとあなたの頑張りを評価されたいと思っているときこそ、あなたは全くもって無価値なんだ。そうではなく、何気なくあなたが無意識にやっていることこそに、あなた本来の魅力が詰まっている。残念なことに、その状態での評価はあなたにとっては取るに足りないものでしかない。なぜならあなたはそこで頑張っているわけではないからだ。でも一緒にいたいと思わせる魅力というのものは、意図的に何かをやっているときには生まれないね。そんな演技をやめた瞬間のあなたが一番輝いているのだからね。

無為

なにかになろうとすることをやめたり諦めたとき、あなたは本来の自然の一部に戻る。それでこそあなたが一番魅力的な瞬間であることは間違いない。ところがあなたはそれは認識すらできず、それをなんとも思ってはいない。でも本来の惹きつける力は自然の中にしかないわけだ。不自然な努力や見栄のための頑張りはどう考えても不格好でしかない。もちろん、あなたがそうしたいと思うことは自由だし、そうであってはならないと言っているわけではない。けれども、それを演じきれていないところが本来のあなたの魅力だとも言えるね。完全無欠の存在を目指しているけれども、完全無欠とは不自然であり、かつそれが本当の意味で完結することはない。風がそよぐように、ゆらぎの中にしかあなたは出現しないのだからね。もっと言えば、あなたは特になにか特別な存在ですらなく、泡沫のようなものだ。一瞬見えるけれどもすぐに消えてなくなるのが自然のこと。あなたは現れたり消えたりしている。まさに点滅しているようなものなんだから、特に何もせずそのままでいいわけだよ。