自ら問いを立てるには

日々

優秀さ

これまでの問題集を速く正確に解く力や、正解や公式を暗記したりする力を超えて、これからの時代を生きていく力とは、自ら問いを立てる力だと言われて久しい。文科省も2020年の教育改革でそういった暗記力や処理能力を重視した従来の教育を変えようと提示した。それからおよそ4年経つわけだけれども、未だに偏差値や学歴のための受験をやめられてはいない。少しずつ変わってきたとはいえ、点数が暗記力の差を表すテスト形式から脱却できないと実現は夢のまた夢だということだ。すなわち、子どもたちの教育を変えるためには、それ以上に大人がそれに対応できることが必須なわけだ。それをやれないのならば、どう考えても無理ゲーとなるね。思考力や判断力など簡単に点数化できないことを、どうやって引き出していくのかという方法をまずは先生が体得できないと現場での実現は難しいだろう。

社会構造

人生においてもそうで、大人ももはや迷い始めている。このまま同じ仕事をして同じ会社で勤め上げたとしても、老後の方が長くなってしまった高年齢化によってその後どう過ごせば良いのかなんて考えあぐねてしまっているね。しかもろくに年金ももらえず、かといって働くあてもそれほどなく、そのために必要な貯蓄は一体どれだけ必要なんだと不安でしかない。長生きすればするほど地獄を見る時間が長くなるなんて、そんなホラー映画のような設定になってしまっている。さらに少子化でそれを支えてくれる若者なんてどんどん見切りをつけて違う国に働きに出てしまったとしたら、もはや残された自分たちでなんとかしていかないとならないわけだ。だから定年が未だに60歳とか少し伸ばして65歳とか言っている場合ではなく、おそらくは死ぬまで働くという時代になるね。もはや、働かざるもの食うべからず、ではなく、働かざるもの生きるべからず、の時代へと向かっているのかもしれない。

問いを立てる

あなたにとってのライフワークと呼べる何かを見出すことが、死ぬまで楽しく生きるために必要だね。そんな重要な能力がまさに教育改革で問われている。これらは未来の子どもたちだけのものではなく、与えられた問題集や仕事をこなしてきただけの大人にも必要なことだね。それはシンプルに言えば与えられる課題を解決する能力ではなく、自ら問いを立てて解決する力を身につけることだ。人生においてライフワークに何を選択するのか、それを一生やり続けても楽しめるものはなにか、それを見つけるためにはどうすればいいのいか、などの問いだね。これには問題集の後ろに答えがあるわけではなく、誰かに聞いたところでそれは誰かの正解でしかない。あなたにとってどうなんだ、ということを突きつけられている。まさに、子どもたちだけの喫緊の課題というよりは、むしろ大人たちの方だね。もはや頭も固くなってしまって、今までそんな練習をしてこなかった人が多数だろう。ましてや学校の先生でも、決められた教科と学習内容を教えてきただけで、それが一体なんの役に立つのか、という点はテストにでるから、なんてやってきたわけだから、急に自ら問いを立てる力を育みなさいと言われたところでできるわけがないね。さて、その力をつけるためにあなたは今からどうするだろうか。