やがてはすべて幻となる
どこを見ているか
うまくいったこととそうでないことを改めて整理してみよう。それはどこが基準になっているかを考えてみるといいね。大抵の場合うまくいったと思っていることは、あなたが思っていた通りになったということを意味するだろう。そしてどうもうまくいかなかったというのは、あなたが思っていた通りには全くならないどころか、思ってもみない結果になって困っていることだろう。あなたはあなたの心の内側を基準としてそれらを見ていることに気がつくだろうか。あなたが判定基準を決めて、あなたが判定委員となっている。そのこと自体が良い悪いではなく、例えばあなた以外の外側から見ればその意味も大きく変わるということだね。または、あなたの心の内側がなんらかの要因で変わったならば、それもひっくり返る可能性があるということだ。それぐらいあなたがいつも絶対視しているそれらは、不安定でありあやふやなんだ。
有名税
たとえば誰がみてもうまくいったとして、あなたはそれを成功と呼ぶだろう。ところがそうなるとたいていの場合は厄介事も増えるね。あなたが有名になればよくわからない人がすり寄ってくるだろうし、あなたがお金持ちになればこれまで付き合いのない友人や親戚が訪ねてくるだろう。無名で失敗だらけのあなたの方が好きなことをやり続けることができた。ところが成功してしまうと、ある意味災いごとが増えてしまうとすれば、はてさてどっちがあなたにとってうまくいったといえるだろうか。そんなこんなで大いに揉めて、結局のところそれなりの名声を得る代わりに、それなりのトラブルも得るわけだ。先人が言うところの、人生はプラスマイナスゼロということになるとすれば、あなたはどっちを選びたいだろうか。それぐらいあなたの内側と外側ではあなたの思う良い悪いが違っていたりするわけだね。
幻になる
穏やかな日々を過ごしたいと思っているのならば、いちいちうまくいくいかないと分けて考えることを少なくしたほうがいいわけだ。成功とか失敗とかも同じだし、幸せか不幸せかも同じだね。白黒はっきりさせないままで、その中間のどこかにいるようにコントロールすることが、あなた自身をうまく操るコツみたいなものだ。それでもいろんな付随することがつきまとうわけだから、それをいなせるぐらいの程度にしておいた方が安寧だね。極端にどちらかにふれてしまうと、もはやあなたの内側には収まらなくなってしまうわけだ。そしてさらに言えば、それらはあと100年後には誰も知らない幻になる。あなたやその関係者がすべてこの世からいなくなるからだね。ということは、あなたにとっての今は、誰かにとっての過去ということになる。未来はあなたには見えないけれども、あなたが幻になることはおそらくわかっている。だからどうであってもあなたができることをやりたいようにやるということが、あなた自身の今なわけだよ。