恐怖の正体

日々

置いてけぼり

いつもなにかに焦らされて、うかうかしていると時代に取り残されてしまうという得も知れぬ恐怖があなたの行動の源となってしまっているね。情報化時代と呼ばれ、情報を制するものは時代を制するとまで言われて、それを真に受けて片時もスマホを手放すことができない。そんなのすぐに調べたらわかることなのにと言われることを恐れ、発信をやめればあの人はオワコンだと認定されてしまうのに怯え、とにかくもなにかを得て何かを出力するしか生き残れない状態だ。それもスピード勝負であり、のんびりと明日また考えてからにしようなんて悠長なことを言っている暇もない。すぐさま即決即断を迫られ、その選択を誤った瞬間にそのサバイバルゲームから脱落してしまう。もう気がつけばあなたは一時も休んだことすらない状態となっている。もしそんなふうになっているのであれば、思い切ってスマホの電源を切ることをおすすめするよ。単に電源を切るというシンプルな操作なのにどうしてそこに強い抵抗があるのかを感じながらやってみるといい。

生き馬の目を抜く

もはや瞬間に人生のすべてがかかっている。そんな時代においてあなたはあえてそこから離脱することができそうでできない。それはそう思わされているというか、自らそれをやらなければならないと課しているに過ぎない。あなたが思っているほど誰もあなたには注目はしていないし、多少音信不通になったところでそんなには心配されないから安心していい。現にあなたがとても気にしているライバルが数日発信をやめたとしても、あなたは気にもとめないのと同じだ。もっと正確に言えば、そんなのを気にしている暇もないというのが本音だろう。多少疎遠になったところで、便りがないのは元気な証拠だと言って笑ってられるわけだ。気にはなるけれども、それが中心になるほどでもないことに、あなたは心血を注いでいるというのが本当のところだろう。あなただけが、あなたのミッションをドキドキ、ヒヤヒヤしながら綱渡りをしているつもりでも、ほかからみれば、幅の広い平均台をわたっているだけに見えるだろう。もしくは万が一にも足を踏み外せば奈落の底へまっしぐらだと思っているそれも、周りからみたらほんの僅かな高さでしかないだろうね。

焦りは禁物

そうやっていつもあなたは騙され続けている。そもそもスマホを切ったところで人生何も変わらない。少なくとも暇があれば覗き込むクセからの脱却があなたの視点を広げてくれる。ずっと背を丸めて狭い画面の小さな文字を凝視している方がどう考えても異常事態だ。顔を上げれば豊かな大自然がそこにあるわけだし、スマホのカメラでは切り取れない雄大な光景が見渡す限り広がっているのだからね。人は恐怖に支配されると、視点は狭くなり、呼吸は浅くなり、心拍数は上昇する。そんな状態で正常な思考を保ち続けることなんてそもそも無理なようにできている。だからこそ逆言えばあなたのスマホからそうさせないようにとあの手この手で手放せない仕組みを仕込まれているわけだよ。ニュースのほとんどはあなたが知る必要のないものばかりだ。そもそも他人が誰かをどうこうしたなんていう情報は、かえってあなたの心を不安定にさせる。そんなことよりあなたのためにある今ここのすべてに感謝を向けた方がいいのは言うまでもないね。