心の中の反乱

日々

忘却

今にあるということは、過去にはとらわれないということ。すなわち、過去も常に今生み出されるものであって、過去は過去にあった例がないね。これまでのことをすべてなかったことだと思うことが、あなたにとっては無責任だと思い悪いことだと思い込んでいる。でもそれだといつまでたっても今にいることは難しくなるね。社会性を身につけるためには、過去のあなたと一貫性を保ち続けないと信頼が得られない。だからあなたはそれを維持するために過去にとらわれてしまうわけだ。もちろんそれはある意味真実だけれども、それも程度の問題でしかない。諸行無常であり、泡沫の夢のように過去はいつでも過ぎ去っていくわけだし、かつてのあなたにしがみつくのは世の理とは真逆の行為だ。にもかかわらずあなたがそうした過去をずっと引きずることであなたはあなたらしさを失っていく。なんだか本末転倒な行為だと気がつくだろうか。あなたはいつでもアップデートされていくわけだし、それを拒み続けるのはどう考えても得策とはいい難い。かといって風見鶏のように言動がバラバラだとあなた自身を保つことすらも難しい。はてさてどっちが良いのかもよくわからなくなってしまうだろう。

契約社会

それぐらい人々の本来の姿は、昨日のことはあっけなく忘れてしまう存在なわけだ。もっと言えばそういったことすらもいつの間にか忘れてしまう性質なわけだ。本来の姿では社会は維持できないということで、あらゆることに約束なり契約という証拠を残さないと維持できない。ある意味それは不自然だとも言えるね。状況は自然の流れとして刻々と変化し続けているというのに、その契約とやらの記録に縛られ続けるわけだからね。もちろんそれらを維持するのは社会にとっては正しいことだと定義しないと社会生活もままならない。社会という存在は過去との辻褄がいちばん重要なことなんだからね。そうしてあなたはすっかり過去だけの今を生きているようになる。あなたのとっての善悪はそれに従うか否かで決まってしまうわけだから避けようにも避けられないことでもある。しかしながら、あなたはそれを遵守しつつも気持ちまでは縛られない。そこに真の自由があり、あなたはいつでもやる気になればすべてを反故することができるし、もうすでに処世術として契約と心の自由を手にしているだろう。

ストレス

あなたの心の声と契約社会との間に大きな乖離があるから、あなたの日常はストレスにあふれているわけだ。そのときはそう思ったけれども、今は状況もあなたも変化して違うのだからね。長期間にわたる約束なんて所詮人類には無理な話なんだ。ところがそれを皆が簡単に翻すとなにもかもが成立しない世の中になる。そこで相反する間にバランスを取れる人が幸せだということになるね。今がすべてであると言われても、結局のところ何も解決しないという実感はそこにあるわけだ。だからそんな諸行無常だとか今にあれという先人たちの知恵は、どうも受け入れがたく胡散臭いと思ってしまうのも無理はないね。でもあなたの心の声を聞けば、そのからくりは明らかになる。だってあなたはいつでも同じ思いで生きていると勘違いしているのも、結局のところそれをしないとこの社会では不利になるどころか、生き残れないかもしれないからだ。そうやってあらゆる過去に縛られて苦しんでいる。なら解決方法はとてもシンプルになる。心変わりをするという意味で約束や契約ごとを厳選すればいいし、あなたの本音までは契約では縛ることはできない。だから形式上約束は守る行動を取りつつも、心の中で舌を出していればいいんだ。