お静かに

日々

平凡

なにかに優れているわけでもなく、かといって著しく劣っているわけでもない。それをあなたは普通と呼んで、特に心を動かすことも注目したりすることもしない。あなたがいつも気になったり憧れたりすることは、やっぱり異質なことばかりだね。誰よりも優れている技術とか、誰よりも高い地位だとか、誰よりも知られている有名さとかそういうものだけについつい目が行ってしまう。でもそれらがあなたをぞっこんにする魔力は、普通ではないということだ。普通ではないということは、ほんの少しだけしか見られない特異な現象であって、ありふれた日常ではないから目立つということもあるね。まぁ見つけやすくわかりやすいと言ってもいいだろう。ところが普段の日常にはそれらはほとんど紛れ込むことはないね。映画やドラマのように普段のあなたの生活にそれらが頻繁に訪れると、それこそ平穏な日々がキリキリした刺激的すぎる冒険に変わってしまう。もうまばたき一つすることもできないぐらいの日々となってしまうと長くは持たないだろう。

保護機能

そう、あなたが全部まとめて普通と呼んでいるそれらは、あなたの脳を保護する機能でもあることに気がつくだろうか。すべてが刺激的すぎると疲労によってあなたの生存活動がおろそかになってしまうことを防いでいるわけだ。日常は平凡でつまらないと処理することで、適度な刺激を楽しむことができる仕組みなんだね。ところが、逆に言えば実はこの世はすべて冒険であって、その実刺激しか無いことばかりだということも推察できる。あまりにデフォルトモードネットワークに陥ってしまうとそのことを見失ってしまい、気力が低下しすぎるのもよくないので、啓発本なんかは見方や視座を変えなさいと注意喚起しているわけだ。それぐらいあなたの思考はとても優れているわけだし、そのためにはとてもエネルギーを消費する。だから見たことがあること、聞いたことがあることはすべて「通常」というタグをつけていくことで休んでいるわけだ。

本気

そんなあなたもいつか本気を出せば、できないことはないという有能感を持ち続けているのはそういうポテンシャルを感じているからだ。いつもは省エネで過ごしているけれども、フル回転させればとんでもない能力が発揮できるという実感がある。それは勘違いだと揶揄されてしまうことが多いけれども、実はかなり有能なんだ。ところが実際ここぞというタイミングでそれをやろうとしたところでうまくはいかないね。だから余計落ち込んでしまうこともあるだろう。けれどもそれは能力が不足しているとか、そもそも備わっていないというわけではなく、あなたの秘めたる力を出すやり方が実はやったことがないのでわからなかった、というのが正直なところだね。それは普段からすこしずつ練習しておかないとどうやら出せないようだ。一方で、本質的な防御本能を刺激するのがあらゆるデバイスからの通知音だ。こんなものをずっと聞かされているとあなたの生存本能が狂ってしまう。いつもピコンピコンと通知を音で受け取るたびに、あなたは戦闘モードに無意識のうちに切り替わり続けているんだよ。まずはサイレントモードにしてみるのをおすすめするよ。