それは問題なの?
ほったからかし
なにか問題があったとき、あなたはそれを解決しなければならないと思い込んであれやこれやと手を打つだろう。けれどもそれはどれもいまいちな効果しかないことが多いね。そう、その問題はあなたがどうこうしようとして解決できるようなものではそもそもないんだ。問題だと思っているかどうかも問われるけれども、ひとまずはそこをおいておくとしてもそれをなんとか解決しなければならないと感じてしまうことは避けられない。ところが、それは複雑な相関関係によって生まれた大いなる事象であることがほとんどなので、あなたがなにか方策を生み出したところでおそらくはびくともしないだろう。問題とはそれぐらいの関係性で生まれた一瞬の歪だからだね。その歪をあなたはすぐさまなんとかしようとするクセがついてしまっている。一瞬見たそれを気に留めるのはナンセンスだということを知っていれば、放って置くのが一番の解決策だとわかるだろう。あなたにできることは特に何もなく、気にしないでいるぐらいしかない。
問題の正体
大問題だと感じているそれは、それだけがシンプルにあなたの眼の前に現れた事象ではない。それまでのいろんな関係性によって生まれたものだね。だから、それをなんとかしようとしても今この瞬間にはなんともならないのは当然のことだ。もちろんたまたまうまくいったと思うこともあるけれども、それは単にたまたまそのタイミングが合っただけのことで、あなたのせいではないのは間違いない。でもそれができたという間違った成功体験によって、皮肉なことにあなたはどんどん新たな問題を自ら生み出すことになる。だからあなたの生涯を通じてトラブルが耐えない人生となっていくわけだ。ところが、そんなこともあるだろうと特になにもせず放っておけば、自ずと時が解決してくれる。そこから何を感じるかでその後の人生が大きく変わるわけだ。あなたが何かをできると勘違いしていることに気づき、あなたが何もしなくてもきちんと予定調和でうまくいくのが自然だと知るとき、あなたにとっての大問題は存在しなくなるだろう。
悪あがき
これもまた運命のいたずらなんだけれども、たまたまあなたが何かをしたときに問題が解決したように見えてしまうと、あなたはそれが自らが解決したと勘違いしてしまう。そうするとあらゆる困難は自らの力と努力によって遠ざけることができる能力が備わっているかのように思い違いをしてしまう。そんな視点で人生を見つめるようになると、すべてが大問題に見えてしまうわけだ。しかもそれはあなたがなにかをすることで解決できるはずだと思ってしまう。だから何ら効果のないことを必死になってやり続ける羽目になってしまうね。それがなんの効果もないということを真正面から見つめることもできず、とにかく問題を解決するのはあなたの力だと思ってしまう。そうなると悪循環で、物事を多面的に捉えることもできず、成功体験や前例主義に陥ってますます無駄な努力で苦しむことになるわけだ。この世に問題なんて実はどこにも存在せず、あなたがそれを問題視することで初めて生じるものなのにね。